相場が大きく変動する場合のシミュレーション
ここからは上述の「⑤上昇・下落を繰り返すパターン」をベースに、投資の途中で価格が大幅に上昇/下落した場合についてシミュレーションしてみましょう。
⑦上昇・下落を交互に繰り返すパターン(1回だけ大幅に上昇)
まずは、価格が上昇と下落を繰り返しながら、途中で大きく値上がりするパターンを見ていきます。
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 | 2回目↘ | 3回目↗↗ | 4回目↘ | 5回目↗ | 平均取得価格/ 合計株数 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000 | 9,500 | 14,000 | 9,500 | 10,000 | 10,374 |
株数 | 1.00 | 1.05 | 0.71 | 1.05 | 1.00 | 4.82 |
投資終了時の資産額=48,200円(-3.6%)
3回目に価格が大幅上昇したので、その回に購入株数が極端に減ります(0.71株)。それにより最終的な購入株数は4.82株、平均購入単価は10,374円になり、終了時の資産金額は48,200円と投資元本を下回ってしまいました。
⑧上昇・下落を交互に繰り返すパターン(1回だけ大幅に下落)
次に、価格が上昇と下落を繰り返しながら、途中で大きく値下がりするパターンです。
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 | 2回目↘ | 3回目↗ | 4回目↘↘ | 5回目↗ | 平均取得価格/ 合計株数 |
|
---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000 | 9,500 | 10,000 | 6,000 | 10,000 | 8,742 |
株数 | 1.00 | 1.05 | 1.00 | 1.67 | 1.00 | 5.72 |
投資終了時の資産額=57,200円(+14.4%)
4回目に大幅下落したので、その回の購入株数が大幅(1.67株)に増えます。それにより購入株数は5.72株、平均購入価格8,742円になります。よって終了時の資産金額は、57,200円(10,000円×5.72株)となり投資元本を上回りました。
⑨価格が上下に大きく変動するパターン
最後に、価格が大きく上下にぶれた場合のシミュレーションを見てみましょう。
〈平均取得価格と合計株数〉
1回目 | 2回目↘ | 3回目↗↗ | 4回目↘↘ | 5回目↗ | 平均取得価格/ 合計株数 |
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---|---|---|---|---|---|---|
価格 | 10,000 | 9,500 | 14,000 | 6,000 | 10,000 | 9,202 |
株数 | 1.00 | 1.05 | 0.71 | 1.67 | 1.00 | 5.43 |
投資終了時の資産額=54,300円(+8.6%)
3回目に大幅上昇、4回目に大幅下落した場合、購入株数は5.43株、平均購入価格9,202円。終了時の金額は54,300円(10,000円×5.43株)となり、投資元本を上回りました。
価格変動の大きい金融商品で、より効果が期待できる
平均購入価格 | 購入株数 | 資産価格 | 損益 | |
---|---|---|---|---|
⑤下落上昇下落上昇 | 9,794 | 5.11 | 51,100 | 1,100 |
⑦大幅上昇 | 10,374 | 4.82 | 48,200 | -1,800 |
⑧大幅下落 | 8,743 | 5.72 | 57,200 | 7,200 |
⑨大幅上昇下落 | 9,202 | 5.43 | 54,300 | 4,300 |
上のシミュレーションでは、⑦の大幅上昇以外、大幅下落した⑧、大幅上昇下落をした⑨の方が株価の上限下限が限られた⑤ケースよりもいい成績になりました。このことから、ドルコスト平均法は、株式など価格変動の大きい金融商品の方がより効果が期待できる投資方法だといえます。
今回は表示画面の制約などにより、5回という短期間でのシミュレーションになりました。
実際の投資では、価格の下落・上昇を繰り返しながら、時には大幅下落や大幅上昇が起こる可能性もあります。本記事でのシミュレーションより、ドルコスト平均法の効果を実感できるシーンもあるでしょう。価格が大幅下落をした時でも、この記事を思い出して冷静に対応していただけたら幸いです。
*資産価格の計算に使用した購入株数は小数点1桁で四捨五入しています。価格の上昇幅、下落幅によっては今回のシミュレーションと異なる結果(損益)になる場合があります。
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