つみたてNISAは20年にわたって運用益が非課税になるので、長期的な資産形成をするならぜひ活用したい制度です。この記事では、つみたてNISAが向いている人はどんな人なのか年代別に解説しています。一般NISA、つみたてNISA、iDeCoのどれを使えばいいかわからない人はぜひ参考にして自分に合った方法を選んでください。
- つみたてNISAは教育資金や老後資金を準備したい20~30代に適している
- つみたてNISAはiDeCoの運用期間が限られている50代にも適している
- つみたてNISAは10年先、20年先のための投資。短期の投資なら一般NISA
つみたてNISAの非課税投資期間は20年
つみたてNISAとは、年間40万円までの積立投資にかかる運用益が20年間非課税になる税制上の優遇制度です。
つみたてNISAより先に登場した一般NISAでは年間120万円までの投資による運用益が5年間非課税になりますが(2023年末まで。2024年以降は制度が変わります)、金額が大きいかわりに優遇期間が短いので、長期的な資産形成を狙う積立投資には向いていませんでした。
つみたてNISAは20年間運用益が非課税になるので、投資信託などを少しずつ積み立てて育てる積立投資にぴったりの仕組みなのです。
同じように積立投資に向いている制度にiDeCoがあります。
iDeCoは拠出金額の所得控除も受けられ、運用益が非課税になる期間に制限もありません。積立投資をするならぜひ取り入れたい制度ですが、現時点では60歳までしか積立できない・60歳まで掛金が引き出せないといったデメリットがあります。また、拠出できる掛金もつみたてNISAに比べると少額です(会社員の場合、月1万2000円~2万3000円程度)。
これらのデメリットを受け入れたうえで、つみたてNISAに加えてiDeCoも活用するとよいでしょう。
つみたてNISAに向いているのはこんな人
子どもの教育資金や老後資金を準備したい20~30代
20~30代の若い世代は、時間のメリットを活用した積立投資が可能です。非課税投資期間を長く確保できるため、短期的に値下がりすることはあっても、20年後には成長していることが期待できます。
また時間をかけてゆっくりお金を増やしていけばいいので、まとまったお金を用意する必要がありません。毎月無理のない金額を投資に回していけば、長い目で見れば銀行預金より高い利率で運用できる可能性が高いでしょう。
20~30代では長期的なライフプランが定まっていないことのほうが多いのではないでしょうか。つみたてNISAはiDeCoと違ってお金が必要なときにいつでも解約できるので、たとえばマイホームの頭金を用意するなど、ライフプランの変更に応じて柔軟に対応できるのが魅力でもあります。
iDeCoで運用できる期間が限られている50代
50代の人にもつみたてNISAがおすすめです。iDeCoで積み立てできる期間は60歳になるまで(2022年からは一部65歳まで延長)と決まっているので、十分な積み立て期間を確保できません。積立投資は時間をかけて確実に資産を育てるのが目的なので、iDeCoではその目的を十分に達成できないでしょう。
つみたてNISAであれば年齢による制限がないため、50代から積み立てを始めても70代まで非課税で運用できます。人生100年時代とも言われるように、60代や70代になってもまだまだ現役の人もいるでしょう。50代以降の積立投資は、年齢制限のないつみたてNISAが使いやすくておすすめです。
つみたてNISAは10年先、20年先のための投資
つみたてNISAの主な投資先は投資信託です。元本保証の商品ではないため、一時的に投資元本を下回ることもありえます。投資信託は一時的な価格の変動を繰り返しながら、長期的に成長していくことが期待できる商品です。あくまで10年・20年先を見据えて、長期的に資産を育てていくことを考えましょう。
なお、短期的な運用で資産を増やすのにはつみたてNISAは向いていません。そのような場合は一般NISAを使った運用を検討してはいかがでしょうか。