テレビ、ラジオ、動画配信も含めて様々なコンテンツの台本や脚本を執筆する放送作家&脚本家が700人以上所属する日本放送作家協会がお送りする豪華リレーエッセイ。ヒット番組を担当する売れっ子作家から放送業界の裏を知り尽くす重鎮作家、目覚ましい活躍をみせる若手作家まで顔ぶれも多彩。この受難の時代に力強く生き抜く放送作家&脚本家たちのユニークかつリアルな処世術はきっと皆様の参考になるはず!
連載第20回は、放送作家の東海林桂さん。
過払い金発生の理由
コロナ禍で、収入が減ったり仕事が無くなったり。でも、生活するにはお金がかかる。仕方なく借金をするという経験をする人が、けっこう多いと思われます。
借金は、基本的には返済する必要があります。返済するときには、利息を払うのですが、ほとんどの銀行の預金の利息は年0.001%。ところが10万円を借りると、金利は最高でも年率18%にもなっています。
分かりやすくするために年率15%で10万円を借りたとすると、1年間の利息は15,000円。10万円を普通預金に預けると利息は1円です。こんなにも利息の差があります。
だから、借金の悩みは専門家に相談しましょう。なんてことを基本に、かつてラジオ日本で「お金の悩み110番」という番組の台本を10年近く書いていました。その当時、過払い金返還請求という払いすぎた利息を返してもらうということが話題になっていました。
なぜ、利息を払いすぎたのか? それは、利息に関する法律が2種類あって、お金を貸す金融機関は、貸出金利を最も高い方で計算していました。その利率は年率29.2%という高額な利率でしたが、最高裁の判決で違法と判断され、払いすぎた利息分を取り戻せることになりました。その結果、過払い金請求が話題になり次々と返還請求が行われ、武富士など消費者金融が倒産したことを覚えている人も多いことでしょう。
しかし2010年6月18日以降は利息制限法だけの最高利息での金利しか認められていないので、過払い金は発生していません。でも、現在も払いすぎた利息を取り戻せます。というCMが放送されています。それは、いまだに昔の借金返済を少しずつしている人がいるからだと思われます。
どんな大手の有名なクレジットカードのキャッシングでお金を借りた場合でも、昔は29.2%という高額な金利で計算されていたようです。例えわずかな金額でも、借金は利息分をつけて払う覚悟が必要です。
リボ払いの落とし穴と、私のお金の悩み
「借金など、私はしません! でも、毎月に支払いが一定のリボ払いは便利だから」。なんていう知り合いがいました。借金とほとんど同じような金利手数料を払う仕組みなのが「リボ払い」です。
10万円の商品を買って毎月5,000円の15%の金利手数料のリボ払いだと、24回の支払いで総額およそ115,000円にもなります。さらに、別の買い物をすると、その分割払いと金利手数料も加算されて、延々と支払いが続いてしまいます。お金を貸す方は、「毎月の支払いが楽になる」「急な出費も大丈夫!」など、甘い言葉で借金をさせようと仕組んでいます。
クレジットカードでどうしても1回で払えない買い物は、2回分割までにしましょう。2回までなら金利手数料は発生しません。3回以上だと金利手数料が発生します。
10年間「お金の悩み110番」の台本を書いたことで、幸いなことに自分のお金の悩みは今のところありません。いや、あるな! 年金収入だけでは、これからも絶対に生活できないこと。なんとかならないかなぁ?
次回は脚本家の冨川元文さんへ、バトンタッチ!
是非聞いてください!
現在TBSラジオ「アシタノカレッジ」(月~水、夜11時30分頃)内、滋慶学園COMグループプレゼンツ「あなたの夢はなんですか?」という番組の構成台本を書いています。
このプログラム、基本はラジオ番組なのですが、YouTubeでも毎回紹介するために2カメ使ってテレビ番組のように収録しています。
「あなたの夢はなんですか?」「TBS」で検索して、ご覧くださいませ。そしてラジオでお聞きくださいませ。
放送作家の地位向上を目指し、昭和34年(1959)に創立された文化団体。初代会長は久保田万太郎、初代理事長は内村直也。毎年NHKと共催で新人コンクール「創作テレビドラマ大賞」「創作ラジオドラマ大賞」で未来を担う若手を発掘。作家養成スクール「市川森一・藤本義一記念 東京作家大学」、宮崎県美郷町主催の「西の正倉院 みさと文学賞」、国際会議「アジアドラマカンファレンス」、脚本の保存「日本脚本アーカイブズ」などさまざまな事業の運営を担う。