積立投資で大切なのは下落相場でも買い続けること

セゾンポケットが投資初心者でも始めやすい設計であることはよくわかりました。一方で資産形成は、始めることはもちろん、「継続すること」がとても大切です。「継続」を後押しする施策はありますか。

山﨑さん 当社は10年以上前から『セゾンマネースクール』というお金に関するセミナーを運営してきました。2020年からはオンラインによる同マネースクールの開催に力を入れており、資産形成をテーマとしたセミナーを多数実施しています。セゾン投信の中野晴啓会長、園部鷹博社長をはじめ、著名ファイナンシャル・プランナーや東京証券取引所の方などを講師にお招きし、資産形成への理解を深め、意欲を高めるさまざまな内容を提供し、多くの方にご参加いただいています。こうした教育・啓蒙活動を通じ、資産形成を継続することの重要性をお伝えしています。

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さらに、クレジットカード払いの積立投資なので、ポイント還元のサービスがありますが、セゾンポケットの場合、6カ月間積み立てて初めてポイントが付与される仕組みです。少しでも継続してほしいという思いからこうした設計にしました。6カ月続けていただければ、積み立てた資産がプラスになる確率も上がるかもしれません。その成功体験を通じ、「始めてよかった」「もっと長く続けてみよう」と思っていただければ嬉しいです。

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山﨑敦史さんの写真2
「教育・啓蒙活動を通じ、資産形成を継続することの重要性をお伝えしていきたい」と話す山﨑さん

やはり地道な教育・啓蒙を通じて長期投資の大切さを発信していくことが大切だと私たちも思います。特にコロナショック以降に積立投資を始めた人は、本格的な調整局面を体験していないのでこの先、大きな調整局面を迎えたときに、怖くなって積立投資をやめてしまうかもしれません。

山﨑さん 長期投資を実践すると必ず下落相場を経験するものです。でも過去を振り返ってみると、どんな下落相場も必ず持ち直してきました。株式市場を10年、20年の時間軸で見ると、短期的には上がったり下がったりをしながら、全体としては右肩上がりで推移するものです。

福井さん いまはまだコロナ禍からの回復局面で株式市場は高値圏に留まっていますが、この先、下落相場は必ず来ます。でもその時に積立投資をやめないでください。下落している時は、安値でたくさん買える絶好のチャンスです。下落相場で買い続けることが積立投資にとって最も大切なことであり、下落相場は必ず回復します。こうしたこともセミナーで地道にお伝えしています。

福井啓之さんの写真2
「下落している時は、安値でたくさん買える絶好のチャンス」と福井さんは下落相場でも積立投資を続けることの重要性を強調する

とはいえ、下落相場で買い続けるというのは結構しんどいものです。その点、クレジットカード引き落としで機械的に積立投資を実践できれば、結果的に長期投資につながると思います。

確かにそれはありますね。下げ相場の時は、カード払いのほうが精神的にも楽な気がします(笑)。それでは今後力を入れていくサービスについて教えてください。

山﨑さん 冒頭申し上げた通り、毎年多くの方がセゾンカードに加入します。その方たちに資産形成の重要性をダイレクトにお伝えできるよう、もっと工夫していきたいですね。あとはマネースクールを通じた教育・啓蒙にももっと力を入れていきます。

ポイント還元ではなくより良いサービスで勝負する

商品ラインアップを拡充する予定はありますか?

山﨑さん 引き続き議論はしていきますが、やはり投資初心者の始めやすさを重視するうえでは、商品は厳選する必要があると思います。厳選した投資信託と個別株こそ当社のサービスです。一方で、大和証券と業務提携をしており、セゾンポケットのサービスだけではもの足りないお客さまには、大和証券グループのネット証券であるCONNECTをご案内しています。CONNECTなら信用取引なども含めもっと積極的に売買したいというニーズを満たすことができます。

セゾンポケットのポイント還元率は、5,000円で1ポイントで1%(1ポイントを5円相当とした場合)です。楽天証券やSBI証券と比較すると、だいぶ見劣りすると思いますが……。見直す予定はありますか?

福井さん おっしゃる通り、その点は何とかしたいと思います。ただ、確かに楽天証券さんやSBI証券さんのポイント還元率は断然高いですが、必ずしも同じ土俵に上がろうという気持ちはそれほど強くありません。手数料競争もそうですが、そこで勝負するのではなく、よりよいサービスを提供することでお客さまに選ばれる存在でありたいですね。

ポイントや手数料競争は消耗戦ですからね。投資家としては、もっと本質的なサービスの面で競い合って、より良い商品やサービスを提供していただきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

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