6月に入り、夏季休暇も近付いてきた時期。6月10日には東京都民の都内旅行を支援する事業「もっとTokyo」が開始するなどの動きもあり、そうした助成を活用しての旅行を考えている人も多いでしょう。旅行の行先などを考える時には、旅行保険の検討も併せてしておくと良いかもしれません。

  • 国内旅行保険ではケガによる入院・通院の日数に応じて補償が決まるタイプが一般的
  • 海外旅行保険では、ケガ以外に病気も補償の対象になる
  • クレジットカードの中には、旅行保険の機能を持ったものもある

旅行先でのトラブルに備える旅行保険とは

旅行保険とは、旅行中に発生したトラブルにかかった費用を補償する保険です。

そのほか、人にケガをさせてしまったり物を壊してしまったりした場合の賠償費用、自分の持ち物を偶然壊してしまった場合の費用や航空機の欠航などにより急遽ホテルへ宿泊した場合の費用などにもオプションで備えられるものが多いようです。

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旅行先での急なケガの場合、救急や夜間診療を受けることになったり、海外では健康保険が使えなかったり(※)、思いがけず高額な出費が必要になる可能性もあります。

そうした場合の費用負担軽減に、旅行保険は頼れる存在になるでしょう。

(※)国内で健康保険が適用される治療内容など、一定の要件を満たしていると「海外療養費制度」から払い戻しを受けられます。

旅行保険は国内旅行保険と海外旅行保険に分かれている

旅行保険は、国内旅行保険と海外旅行保険の2種類に分かれています。

国内旅行保険では、旅行で負ったケガにより入院した場合には入院や通院した日数に応じて決められた日額を受け取れるものが一般的です。また、旅行中のケガにより死亡や障害を負った場合には、500万円などまとまった一時金を受け取れるものや、個人賠償責任補償が3000万円や5000万円などを上限に受け取れるものも多いようです。また、旅行先で遭難して捜索・救助を受けた際の費用も補償対象として選択できます。

【図表1】国内旅行保険の一例
保険商品名 保険会社 概要
国内旅行総合保険 エイチ・エス損保 入院日額は5,000円と10,000円の2つから選べる。保険料はPaypay払いも出来る。
国内旅行保険 au損保 個人賠償責任補償は最大で1億円。保険料の支払いにPontaポイントを使うこともできる。
トラベルアシスト 楽天損保 保険料は日本全国一律100円から、保険料支払で楽天ポイントを受け取ることもできる。

海外旅行保険は基本的な補償内容は国内旅行保険と共通ですが、ケガだけでなく病気についても補償対象となるのが特徴です。病気やケガでの治療費用は、国内旅行保険と違い上限額の範囲内で補償するタイプのものも多く、上限額は1000万円や3000万円、無制限のものもあります。また、航空機を利用した際に預けた手荷物が届かない、いわゆるロストバゲージの補償を備えるものも多いです。一部保険では、提携病院であれば窓口での支払いが不要になる、キャッシュレス診療が可能になっている場合もあります。

【図表2】海外旅行保険の一例
保険商品名 保険会社 概要
海外旅行保険たびとも エイチ・エス損保 治療費用を1000万円、3000万円、無制限の3種類から選択できる。
MARINE PASSPORT 東京海上日動 手数料無料で電話通訳やホテル・航空券に関する手続き、家族へのメッセージ伝達などのサポートを受けられる。
t@bihoたびほ ジェイアイ傷害火災保険 歯科治療やテロにより交通機関が使用できなかった場合の費用も補償。オプションで旅行キャンセル・中断時やペットの延長預入にも対応

※ここでは保険商品の概要をご紹介しています。詳細は、保険会社のサイトやパンフレットなどを必ずご確認ください

加入は事前に保険会社のウェブサイトなどから行うのが基本ですが、一部空港の受付カウンターや自動販売機からの加入もできます。ただし、ウェブサイトからの申し込みの方が保険料を安く設定している保険会社もありますので、その点は留意が必要です。

また、注目したいのはリピーター割引の存在です。旅行保険の中には、一度契約した人が3年以内などに再度契約をした場合、3~5%などの保険料割引を受けられるものがあります。年数回旅行へ行くなどの予定がある人は、そういった割引があるかを保険選びのポイントとするのも良いかもしれませんね。

旅行中のケガ
健康保険が使えない可能性のある海外では、思いがけず高額な出費が必要になるかもしれないので、旅行保険が頼れる存在になる

クレジットカードの補償を活用できる場合もあるので要チェック

クレジットカードの中には、旅行保険などの機能を持ったものもあります。まずはお持ちのカードにそういった補償がついているかどうかを確認してみるのもおすすめです。ただし、対象が国内旅行に限定されている場合や、一般的な旅行保険とは費用限度額などの補償内容が異なる場合もありますので、その点も確認が必要です(詳しくはこちらの記事で解説しています)。その場合、クレジットカードの補償を踏まえて、足りない補償を補えるように旅行保険の契約をするという方法もあります。

旅行を安心して楽しめるように、事前準備の中に「保険について調べておく」項目も入れてみてはいかがでしょうか。

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