火山の被害と、豊かな恩恵(温泉・食物・水)

火山の噴火によって地表に噴出してくる溶岩や火山ガスを総称して「火山噴出物」と言います。火山弾、火山礫、火山灰などがそれに当たります。

溶岩流や火山泥流は田畑や街を焼き尽くし、時には人命を奪ったり大きな被害をもたらしますが、それにとどまらず長く周辺地域に堆積して、雨で流れ出し、渓流や河川の水と混ざって土石流となって下流地域を襲います。洪水の原因となることもあります。小笠原の海底火山の爆発では軽石の大量放出が大きな問題を引き起こしています。

火山による災害は一次被害にとどまらず、環境破壊のような二次被害にもつながります。火山灰は軽くて直径2ミリ以下と小さいため、風に乗って広い地域に拡散します。非常に細かな微粒子は地球を何周もすることもあり、ただ降り積もるだけでなく、降ったばかりの火山灰には鋭利な角があり、人間の目の角膜を傷つける恐れもあります。

火山性ガスなどの有毒成分を含んでおり、機械類や自動車にも影響をもたらします。空中にとどまると日差しをさえぎって気象に影響を与えたり、遠くの田畑や海洋に降下して農業や漁業に長期におよぶ深刻な被害を及ぼすこともあります。

その一方で火山がもたらす自然の恵みも存在します。代表的なものが温泉、食物、水です。

日本の温泉の大部分は火山地帯に沿って湧き出ています。火山性の温泉はマグマの熱で暖められた地下水が、二酸化硫黄や二酸化炭素など多様な成分を溶かし込んで湧き出たものです。温泉を利用した湯治は古くから行われてきました。

温泉の熱は穀物の苗床を温め、寒冷地方の短い夏の期間にも収穫が得られるという恩恵をもたらしています。温泉の熱は地熱発電などエネルギー源にも利用されており、マグマの熱が将来的に直接利用されることが可能になれば、日本の消費電力をすべてまかなって十分なほどのエネルギーが得られるとも試算されています。

また火山灰を含んだ火山性土壌は水はけがよく、高原野菜の生産に適しています。ミネラル分を豊富に含んでいるため、山梨県甲府地方では古くから火山のふもとの扇状地で桑の木を育て、養蚕に活用してきました。今でもブドウやモモなどの果樹栽培が盛んです。

火山の上空で降った雨は、多孔質の火山噴出物の地層を通り抜ける間に、水がろ過されてきれいになります。湧き水は適量のミネラル分を含んでおりおいしい水になるとされています。富士山麓の忍野八海、阿蘇山の白川水源など、火山のふもとにできる湧水や伏流水は名水として名高く、飲み水やウナギ、魚の養殖に用いられています。

火山活動と地震の因果関係は否定できない

火山活動と地震の発生はメカニズムがよく似ているとされています。巨大地震が発生した直後には火山活動も活発化すると見られる事例が世界中に数多く存在します。

地震による地殻変動が日本列島の各地の火山に影響を及ぼし、火山の噴火活動を誘発する可能性も少なからずあると指摘する専門家もいるほどです。

20世紀になって世界でM9クラスの巨大地震は6回発生し、2011年の東日本大震災以外の5つの事例で、地震発生から数日~数年以内に震源地の近くで火山の噴火が発生したそうです。地震と火山活動の因果関係は否定できないものとなっている模様です。

世界でも有数の火山帯である日本に暮らす私たち日本人は、日ごろから用心して過ごすのに越したことはありません。火山や温泉のもたらす恩恵をフルに享受しながら、災害につながる可能性には注意を怠らず、少しでも安全で過ごしやすい日常を送りたいものです。

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