近年、米国株への投資が人気を集めています。日本株投資と比べて敷居が高そうな印象もありますが、その特徴から、実は初心者向きの投資対象と言われることもあります。そこで今回は、米国株と日本株の違いを比較しつつ、米国株投資の魅力を解説します。

  • 主要な株価指数の長期パフォーマンスは、米国が日本を圧倒
  • 株主優先主義が根付く米国では、50年以上増配を続ける企業もある
  • 日本株の取引単位が原則100単元であるのに対し、米国株は1株から買える

違い1 パフォーマンス

米国株の魅力のひとつは、パフォーマンスの良さです。年間リターンがマイナスになる年もありますが、長期的には最高値を更新し続けており、平均的なパフォーマンス結果が良いことが挙げられます。

実際に、米国株の主要な株式指数であるS&P500の過去チャートを見てみましょう。

S&P500の推移(1985年1月~、月足、終値)
S&P500長期チャート

チャートからも分かるように、右肩上がりで成長を続けています。

それでは、日本株の主要な株式指数である日経平均株価はどうでしょうか。

日経平均株価の推移(1985年1月~、月足、終値)
日経平均株価長期チャート

日経平均はS&P500に比べて、非常に複雑な値動きをしています。さらに、日経平均は未だ1989年の高値を更新できていない状態で、買うべきポイントを見極めるのは容易ではありません。

長期で持ち続けてさえいれば損をしなかった米国株のほうが初心者向きともいえるでしょう。

違い2 株主優先主義

米国株の好パフォーマンスの背景には、「株主優先主義」の考え方があります。米国では企業は「株主」のものという考えが強く、配当や自社株買いによって積極的に株主還元しようとする姿勢が、日本株よりも顕著にみられます。

例えば、配当に関しても日本と米国は大きく異なります。日本は年1〜2回の配当が一般的ですが、米国は四半期ごとに配当を出す企業が多いです。さらに、長期的に業績が良い企業では、毎年配当を増やす「連続増配銘柄」もあります。

具体的には以下のような企業です。

  • プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
  • コカ・コーラ
  • マクドナルド
  • ジョンソン・エンド・ジョンソン

中には50年以上増配を続けている企業もあります。日本株の連続増配銘柄で最も長いのが花王(4452)の31年なので、その差が分かると思います。

違い3 購入単元の違い

日本株と米国株は、購入単元も違います。
日本株には「単元株制度」があり、原則として100株単位での取引となっています。つまり、取引するためには最低でも100株が必要です。

例えば、トヨタ自動車(7207)を購入したい場合は次のようになります。(2022年1月10日時点)

株価2,308円×100株=230,800円となり、取引するには最低でも230,800円からです。

株価が数百円の銘柄ならよいですが、1万円を超えるような銘柄は必要資金が非常に高額になります。中には1株単位で購入できるサービスを提供する証券会社もありますが、あくまでも原則は100株単位であり、初心者や資金の少ない方は手を出すことが厳しいのが現実です。

それに対して、米国株は単元株制度がなく、すべての上場株式を1株単位で購入できるメリットがあります。そのため、世界的なIT企業のマイクロソフト、アップル、アマゾン、フェイスブックなどの株式を、少額から投資することが可能です。

実際に米国株の最小購入金額がどのくらいなのか表にまとめました。(2022年1月10日時点)

銘柄 株価(ドル) 最低購入金額(円換算)
※小数点以下は切り捨て
マイクロソフト(MSFT) 314.04 36,356円
アップル(AAPL) 172.17 19,932円
アマゾン・ドット・コム(AMZN) 3251.08 376,377円
アルファベット(GOOGL) 2740.34 317,249円
テスラ(TSLA) 1026.96 118,860円
メタ=フェイスブック(FB) 331.79 38,411円

そして日本株の最小購入金額の一例がこちらです。(2022年1月7日時点)

銘柄 株価(円) 最低購入金額
トヨタ自動車(7203) 2,307.5 230,750円
任天堂(7974) 53,800 5,380,000円
ファーストリテイリング(9983) 60,670 6,067,000円

米国株は、誰もが知っているような世界的な大企業でも1株から購入でき、最低購入金額が比較的低いため、初心者でも始めやすいのが魅力です。成長率が高い銘柄であれば、株式の数が少なくても大きな利益を得られることもあるでしょう。

ただし、日本株の「単元未満株」を取り扱う証券会社では1株単位や金額指定での購入もできます。上記のファーストリテイリング(ユニクロ)のように株価が高い、いわゆる「値がさ株」であっても数万円もしくはそれ以下で日本株を買えますが、手数料が割高になるなどのデメリットがあります。

知っておきたい、単元未満株のデメリット

このように、米国株は日本株にはない魅力を有する投資対象といえます。リアルタイムの情報を調べにくいことがデメリットのひとつとして挙げられますが、最近は米国株に関するニュースやレポートも増えています。昔ほど難易度は高くなく、挑戦する価値はあるでしょう。

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