銀座ママは「女性に優しい!」

成田のにさんは、OL時代誰もが知ってる一流企業に勤め、その後、都心の有名デパートで人気スポーツブランドの販売に携わっていました。
そんな彼女は、銀座の一流クラブのホステスになることをどう感じていたのでしょう?

今まで生きてきた世界と全く違うカルチャーショックがありました。お客様は、政財界のお歴々、芸能界やスポーツ界のスター。OL時代にはとても間近でお話できるような人たちではないので、すごい世界に来てしまったなあと。でも、この仕事が長く続けられたのも、結局、人に興味があって、人が大好きだからでしょうね」と。

なるほど! 「人が好き」というのが何よりも大きな要素です。
それは、筆者がいる物書きの世界も同じ。ものごとが何でもドラマチックな物語の中で進んでいくことに感動するタイプは、人と接する職業が向いていると思います。
人生は人と人との出会いがすべて。そこから運命が始まると思うと、人と人を繋いでいくこと、また出会って縁のある人に、優しく寄り添って生きていきたいと思うものです。
そういう意味で、のにママの仕事は天職ではないかと思います。

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そんなママのいる銀座へ、私たちも繰り出し、今後の人生を拓く出会いに繋げたと思います。

シャンパンのイメージ
夜の銀座を「お客」として、働く女性ももっと活用したい!

さて、夜の銀座は男性客の専売特許のように思われていたのも今は昔。今の時代は女性客もウエルカム! 成田のにママのお店に伺った日も、男性のお客さんに交じって、女性のお客さんもいました。

「女性のお客さんとお話するのも大好き」というのにママは、人生の先輩で、世の中の酸いも甘いも噛み分けて来た人だから、同じ女性として悩みも聞いてくれて、いろいろなアドバイスもしてくれる実は女性の強い味方なのです。

今回も筆者は、取材にかこつけていろんな悩みを、のにママに聞いてもらいました。
それは恋バナに始まり、健康管理のこと、ボディケア、おしゃれ、それから老老介護の悩みなどなど……職場や家族、友人には、ちょっと憚られて言えない悩み事なども、のにママなら何でもぶつけられました。

やはり、積み重ねた経験と、沢山の人生を見てきた見識に裏打ちされた、のにママのひと言が、悩める女性の気持ちをほぐし、背中を押してくれる思いがしました。
仕事でも恋でも修羅場になったら、一人で抱え込まず、銀座のママに相談するのは、令和のキャリアウーマンのクールでスタイリッシュなソリューションのひとつかもしれませんね。

さらに、悩みごとだけでなく、「優しいダメ出し」も期待できます。
筆者も年齢とキャリアでいくと、周りが若くなって、遠慮なのか忖度なのか、最近誰も「ダメ出し」してくれなくなりました。
そんな筆者には銀座のママの視点から銀座センスでジャッジしてもらえるのも嬉しい限り。

取材の日、筆者の着ていった服装は「おしゃれ!」と褒めてもらえたけど、その日はヘアスタイルの決め具合が今ひとつで、おぐしをキレイに整えているのにママを前にちょっと恥じる思いがありました。

以前は長い髪を結い上げていたママに、どれくらい時間をかけているのか聞いたところ、「結い上げるのであっても、小一時間」だと。お店に出勤する前に、美容室で毎日整えてくるんだそうです。

美容室に毎日はいけないまでも、もう少し、時間をかけてもいいなと猛省した筆者でした。ヘアスタイルって年齢もそして、生活も出てしまいますから!

美容院のイメージ
のにママは毎日出勤前に美容室で髪を整える(写真はイメージです)

そして、この際だからと、自分の容姿のコンプレックスについても話してみました
実は、今地道な改造計画を実行中と話したら、のにママに「あら、それは素晴らしい。なかなか出来ないことをよく踏み切ったわね。頑張って」と励ましてもらいました。この改造計画については、親しい友人たちの間では賛否両論もあり、なんだかなあと思っていたところ、のにママに背中を押してもらい、最後までコンプリートしようと気持ちに切り替わりました。
(※この改造計画については、コンプリートしたら、この連載でも報告させていただきます。お楽しみに!)

「人間は見かけじゃないよ、心だよ」とは言いますし、それも正論です。
でも、のにママに言わせると「社交の世界にはドレスコードがあるので」と。
「ブランドもので固めよ、とは言わないけど、ビーチからそのまま短パンで着てしまうとうのは、夜の銀座に相応しくないから」と、のにママは最近のカジュアルダウン傾向に苦言を呈します。銀座に来る人たちの中でも、「おしゃれの不文律が崩れつつあるのはちょっとね」とのにママは疑問を投げかけています。

見かけは心を映す鏡であり、心の代弁者であると考えたら、見かけも大事。人との出会いには第一印象が大きな影響を与えるので、人脈を開拓していこうという意欲があるなら、見かけへの自己投資も大事ですよね。

仕事に役立つ銀座の流儀

お店での、のにママの立ち居振る舞いを見ていると、ママを慕って常連客が、この店を心のどころに集まってくるのがよくわかります。

お店は6時開店。コロナ禍以前は、終電が終わっても、不夜城の銀座はいつまでも活気づいていました。長年、店を維持していくには、まずは身体が資本。ちなみに、のにママは「どんなに夜遅くなっても朝は早起きして、ジムに行って一汗流す生活を続けている」と言います。
素顔はスポーティーでフィジカルレディー。うわべだけでなく、身体を芯から鍛え上げて、持続させている努力は凄いなと思いました。

ジムでのトレーニング
早起きして朝のジム通いを欠かさないのが、のにママの日課 (写真はイメージです)

お店開店までは、お客を迎えるためにお店の開店準備にも余念がありませんが、その間に、情報を収集するお勉強タイムも銀座ママの大事な仕事。

よく言われているのは、家に居る間は、ずっとニュースを見たり、新聞を何紙も読んだり……そうやって、知識を身につけて接客に臨むのが一流の銀座のホステスさんと言われたけど、ママはどんなふうにやっているのか、聞いてみたところ、「昔はそんな風に言われたけど、今はテレビもそんなに見ないし、新聞も一紙に決めてます。もっと情報を精査しないとね」と意外な答えが!

「大事なことは、情報をたくさん仕入れても、お客様との会話に活かせなかったらなんの役にも立たないから」と! 要は、付け焼き刃のにわか知識をひけらかしても何もならないと、手厳しいお答えが帰って来ました。それは今の若年層が、ネット検索で簡単に得た情報をそのまま鵜呑みにしていることへの苦言でしょうか? 

「それより、聞き上手に徹して、お客さまからの会話の中から、学ぶ方が自分の肥やしになるでしょ?」
そうか! と思いました。
ママのお仕事は一種の会話のモデレーター(仲介役)でありファシリテーター(進行役、調整役)なのです。

のにママのお店は、とてもアットホームな雰囲気で、初めて顔を合わせたお客同士でも、ママの紹介によってすぐ打ち解けられる空間です。

「ただ、お客様はそれぞれにいろいろな経歴や経験をお持ちの方々なので、お話が合って意気投合すればいいのですが、時に信条や主義が違うこともあります。なので、意見が対立してヒートしないように穏やかな空気を保つことも必要なんですよ」と。

なるほど、不穏な空気にならないように、さりげなく他の話題に振って会話の流れを変えていくことも大切なのですね。しかしながら、空気を読みながら和やかな雰囲気を保つことって、かなりの上級テクニックです。
筆者としては、この方法を是非、のにママから学びたいと思いました。

取材が終わって家に帰った頃、LINEにのにママからお礼のメッセージが届きました。
昔だったら、お手紙を書いたり、電話をかけたりだったのですが、「お忙しいたまこさんはLINEでいかが?」と言われ、筆者もそれが一番便利なので早速、ID交換してきました。
これで、筆者も一見さんではなくなったということでしょうか!

そして、お客様とも名刺交換させてもらって、素敵なクラフトワークを手がけている女性と繋がりました。
機会があったら、取材したいなと思っています。

振り返れば、筆者の人生、節目節目に出会った素敵なママたちに、繋いでいただいた人脈をご縁に仕事をさせていただくことも多々ありました。
コロナ禍でお籠もり時間が長くなりましたが、そろそろ、素敵な社交の場に出かけていって、もっと人生を開拓したいと思った次第です。
これからは、銀座に相応しい大人を目指して!

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