「レバレッジ型の投資信託やETFを積立投資したら、少ない元手でも大きな利益が出せるのでは?」そう考える投資家もいるかもしれません。この記事では、レバレッジ型の商品を積立投資する場合に起きうる状況や注意点、うまく運用するためのコツをまとめました。積立投資の商品選びをどうするか考えている人は、まずは目を通してみてください。

  • レバレッジ型ファンドは日経平均株価のような指数の数倍の値動きをするような設計
  • レバレッジ型は一般的なインデックスファンドよりコストが高く、値動きが大きい
  • つみたてNISAにも含まれていないレバレッジ型は短期投資の方が適している

レバレッジ型は指数の値動きを増幅させた投資信託

レバレッジ型と呼ばれる投資信託やETF(これらを合わせてレバレッジ型ファンドと呼びます)は、「レバレッジ(てこの原理)」の効果を活用しながら、日経平均株価のような指数の数倍の値動きをするように設計されています。ファンドごとに倍率が設定されており、例えばレバレッジが2倍で日経平均への連動を目指すファンドであれば、日経平均が10%上がればファンドの基準価額が20%上がる仕組みです。逆も同様で、10%値下がりすれば20%基準価額が下がります。

指数が上がると倍率に応じて価格が大きく上がるタイプのレバレッジ型ファンドは「ブル型」とも呼ばれます。倍率は2倍だけでなく3倍、中には4.3倍という非常に激しく値動きするファンドもあります。

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最近では、米国の株価指数「ナスダック100指数」を対象としたレバレッジ型投資信託、通称「レバナス」が人気を集めました。

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レバレッジ型の損益は長期的には指数の2倍にならない

レバレッジ型ファンドの損益は、2営業日以上をまたぐ場合は、指数の倍数ピッタリになりません。

レバレッジ型の投資信託やETFが指数に連動するのは、あくまでも1日単位です。1営業日終了した時点でいったん精算が行われ、翌営業日は新しい基準価額からの連動となります。

例えば指数の2倍の値動きを目指すファンドであれば、1営業日目に指数が10%上昇すると、レバレッジが2倍なら20%上昇します。そして翌日は120%の価格から改めてスタートになるのです。このように上昇と下落を繰り返すと、通算での騰落率は指数の2倍にはなりません。

結果として、購入時と売却時の指数が同じだったとしてもプラスマイナスゼロにはならず、場合によっては大きな損失を出す危険性もあります。

レバレッジ型ファンドの値動きについてはこちらの記事で詳しく解説しています。

レバレッジ型の弱点は「打たれ弱い」こと

レバレッジ型を積立投資で使う際の注意点

「積立投資は値動きが大きいほどドルコスト平均法の効果が発揮される」という理論を知っている人は、レバレッジ型の商品こそ積立投資に向いているものだと考えるかもしれません。確かに条件によっては通常のインデックスファンドより高い利益を出せることもありますが、一般的にはレバレッジ型の投資信託は積立投資に向かないと考えられています。

その理由は主に以下の2点です。

一般的なインデックスファンドよりコストが高い

レバレッジ型の投資信託やETFは、指数の2倍、3倍などの大きさで連動するように、オプション取引や先物取引などの複雑な手法を使って運用しています。そのため、一般的なインデックスファンドよりもどうしてもコストが高くなってしまうのです。実際のレバレッジ型ファンドは信託報酬が1%前後かかり、運用効率は下がります。

長期積立投資においては、少しの手数料も積み重なって大きな差を生みます。コストで比較すると、信託報酬が安いインデックスファンドの方が有利といえるでしょう。

急激な値下がりのリスクが大きい

レバレッジ型の投資信託やETFは、相場が急変した時に激しく値下がりするリスクを抱えています。急にまとまったお金が必要になり、換金しようとしたら相場が急変したなどのケースを考えてみてください。レバレッジ型は通常のインデックスファンドの2倍、3倍の下落となるため、元本を大きく下回った状態で換金しなければならないリスクがあります。

積立投資のメリットは、投資を長く続けるほど複利効果で利益が積みあがっていくことです。しかし、運用する金額が大きくなるほど、値下がりした時の損失額も大きくなります。レバレッジ型ファンドの激しい値動きから受ける精神的なストレスは、通常のインデックスファンドより大きくなることでしょう。

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いくら積立投資が「目先の値動きに一喜一憂しなくてもいい」といっても、レバレッジ型の値動きには冷静でいられないかもしれない

レバレッジ型は短期の投資で活用する

レバレッジ型ファンドは商品設計が複雑であり、価格変動リスクが非常に高いことから、本来は初心者向けの商品ではありません。どちらかといえばセミプロ向けの商品だといった方がよいでしょう。つみたてNISAの対象商品にも、レバレッジ型ファンドは含まれていません。

近年、レバレッジ型の投資信託やETFを購入した個人投資家が大きな損失を受ける事例が多くなっており、金融庁も長期投資には向いていないものとして注意喚起を行っています。レバレッジ型は積立投資より「相場が上がっているときに短期的に利益を狙う」という使い方が適していると考え、あくまで余裕資金で運用することが大切です。

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