最近よく目にするFIRE(経済的独立と早期リタイア)という言葉。会社に縛られない自由な生活に憧れる人は多いですが、その道のりは決して平坦ではありません。FIREを実現するには、何から始めればいいのでしょうか? 会社員生活から独立して、自由な生活を手にした投資家の遠藤洋さんに教えていただきます。

第5回テーマ

いくら自由な時間を手に入れたいとはいえ、実際に起業や独立をするのは難しいもの。遠藤さんが自分の会社を立ち上げて、ビジネスを始めるまでの経緯とは?

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成功すればお金と時間の自由を得られるビジネスモデル

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

前回は、僕が起業するまでにどんなことを考えてきたかを振り返りました。今回は、実際に「写真配信サービス」のビジネスを始めるために自分の会社を起業して、勤め先の会社を辞めて独立したときの話をしたいと思います

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ここで僕は「起業して、会社を辞めて独立した」と書きましたが、実は会社を辞める前に、在職したまま自分の会社を立ち上げたのです。

なぜ在職中に起業したかをお話しする前に、僕が立ち上げた写真配信サービスのビジネスモデルがどんなものかを簡単に説明すると、

  • お客さんが自分のデジカメで写真を撮影
  • 写真配信サービスを通じて写真データをアップロードして、料金を支払う
  • 後日、プリントされた写真が自宅に届く

というサービスです。

これはもともと、当時務めていた会社で「新規事業コンテスト」的なことをやっていて、そこで僕が提出した事業案のひとつでした。この案がコンテストで優勝して、実際に事業化に向けて動くことになったのですが、結果的にその会社での事業化は断念することになりました。

前回、「お金と時間の自由を手に入れることが大切」と書きました。この写真配信サービスのビジネスモデルの魅力は、一度システムを作ってしまえば、その後はシステムが勝手に稼いでくれるので、自分の自由な時間を確保できることです。ユーザーさえ集まれば、あとは自動的にお金が入ってくるという仕組みです。

お金も自由も手に入れるために起業、そして独立

このビジネスを事業化できたとしても、それが会社の仕事であれば、たとえ成功しても給料が上がってそれで終わりで、僕自身の働く時間が減るわけではありません。しかし、これを自分でやれば、成功したときのリターンもすべて自分のものになり、お金と時間の自由が同時に手に入ります。それだけでも、このビジネスには挑戦する価値があると思い、実際に取り組み始めました。

会社員を辞め、自分のビジネスへ専念

新しいビジネスを始めるには、当然ある程度の初期投資が必要になります。その頃にはすでに株式投資をしていたので、投資で得たお金を会社の資本金にしました。仮に今すぐ会社を辞めて、数年間無収入になったとしても、なんとか暮らしていけるだけのお金はありました。

新しい事業を始めるために多額の借金をする人は多いですが、失敗したときのリスクが大きいので、僕はあまりおすすめしません。最初はスモールスタートで、失敗しても大きな傷を負わなくてすむ規模で始めて、ビジネスがうまく回り始めたところで規模を拡大していけばいいと思います。

僕も自分の会社を立ち上げたとき、しばらくは会社員を続けて、写真配信サービスのビジネスがある程度軌道に乗ったタイミングで辞めようかと考えていました。ところが、ふとしたきっかけで僕が会社を経営していることを社長に話してしまい、それが大問題になってしまいました。

会社員が在職中に自分の会社を作ることは、法律的には問題ありません。とはいえ、社長にとっては部下が勝手なことをしたのが許せなかったのだと思います。いろいろ話し合ったのですが折り合いがつかず、結局は退職することを選びました。

社長と部下
自分の会社を設立したことを社長に知られ、大問題に……。話し合いの末に退職を選ぶ

このように、僕が新しいビジネスを立ち上げた経緯はやや特殊なので、みなさまの参考にはなりにくいかもしれません。ただ、自分から言わない限り、会社を作ろうが、副業をやろうが勤め先の会社にばれることはまずありません。勤めている会社のことは気にせず、自分がやりたいことはどんどん行動に移していくとよいでしょう。
(ただし、公務員は今のところ法律で副業が禁止されているので、会社を立ち上げたり、何か事業をやる場合は、自分の名前でやることは避けた方がいいでしょう)

起業も趣味と同じで「とりあえずやってみる」

起業や独立は難しいものだというイメージで語られることが多いですが、僕がいつも思うのは、起業に対するハードルを自分で勝手に上げてしまっている人が多いのではないか、ということです。

起業も趣味と同じで、「とりあえずやってみればいい」と思っています。たとえば明日から釣りを始めようと思ったときに、いきなり高級な釣り竿をそろえて、車や船を買って……という人はいません。最初は安い釣り竿で始めて、高い道具が必要なときはレンタルですませるのが普通です。

釣りの趣味
釣りもビジネスも、凝り出すと際限なくお金がかかるからこそ、最初は「スモールスタート」が肝心

起業も同じで、まずはコストをかけずにやってみることが大切です。お金をかけて規模を拡大させるのは、そのビジネスが自分に合うか合わないかを試してからでも遅くありません。そもそも、趣味でも何でも事前に完璧な準備をすることは不可能です。お金をかけていい釣り竿を買ったところで、世の中にはもっと性能がいい釣り竿があります。ビジネスもそうで、どれだけ綿密な計画を立てたとしても、すべてを完璧にできることはありえません。

事前の準備にお金と時間をかけるくらいなら、低リスクなところから早く始めてしまって、何か起きたときにその都度修正していくことが、結果的には最もコストパフォーマンスもタイムパフォーマンスも高い起業や独立の仕方だと思います。

前回もお伝えした通り、僕が起業した写真配信サービスは結果的に失敗してしまいます。立ち上げたビジネスで思うように利益が出ない中で、どうやって日々の生活費を稼いできたのか? そして、会社をやめて独立してよかったこと、たいへんだったことについて、次回お話ししたいと思います。

遠藤洋今回のポイント

  • お金も自由も手に入るビジネスモデルは、挑戦する価値がある
  • 起業するときは、失敗しても大きな傷を負わない「スモールスタート」が望ましい
  • 起業も趣味も同じ。「とりあえずやってみる」という精神の方が成功しやすい

会社を辞めてよかったこと、今だから思えること

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