1回の入院で保険金の半分を使い尽くす!
「お父さんが、家に帰るってきかないです」
リハビリ病院から電話があったときは、えー!なんでまた? と驚きました。
気に入ってると安心していたリハビリ病院で一体なにが起こったのだろうかと。
果たしてそれは?
「4人部屋に行くなんて聞いてない。家に帰る!」
と父は憮然としていたのです。
父は個室が気に入って、ここに居られるならずっと居てもいいけど、大部屋に移るのは嫌だと、頑なに拒んでいたのです。
まだ、転院して二週間ほどで、リハビリは終わっていません。
ちゃんと歩けるようになって欲しい!
そのためなら多少の出費もなんのその!
私は決意し、父に言いました!
「いいよ、ずっと個室に居て!」
すると父は満面の笑顔になり、頑張ってリハビリに励んでくれました。
結果、傷害保険で多少はカバーできたとしても、2カ月を少し越えて個室に居たので、退院時の支払いは100万近くに!
その資金は、ずっと前に満期になった父名義の生命保険の返戻金を当てたのですが、この入院で半分減ってしまいました。
ああ! 大後悔!
なんと、それから数カ月後にまた、父は自宅で転倒!
今度は右脚の大腿骨骨折で救急搬送になりました。
さすがに前回の入院で懲り、たくさん学習した私は、手術後すぐに父に、転院後の話をし続けました。
「この前と同じ、お気に入りのリハビリ病院に行くけど、今度は、個室は二週間、その後は4人部屋って決まってるの」と。
クリスマスやお正月を家で過ごすには、4人部屋に移った方が退院が早くなると言ったら、素直に聞いてくれたのです。
また、病院には、前回の入院で家計が逼迫してるので、今度はできるだけ早く4人部屋に移りたいと、ずっと訴え続けてもいたので、実際、10日ほどで4人部屋に移ることができました。
結果、2カ月足らずで退院でき、傷害保険のカバーで、ほぼとんとん。
ほっとしました。
前回と同じ轍は踏みません!
実は、透析をしている母も、どんどん骨密度が下がって、転んだら大腿骨骨折になる危険を抱えていました。
透析患者は、父が転院した病院では受け入れてもらえず、骨折したら、自宅からかなり遠い病院に長期入院になるという選択肢しかなく、いったん、今通ってる透析クリニックを辞めての転院というややこしい条件になっていました。
母の保険も1日2000円程度。しかも、満期になった返戻金はない状態でしたから、本当に冷や冷やもの!
父の死後、10年……ただ、幸いなことに母は骨折することはなく、旅立ってくれました(他にいろんな病気を併発して入退院を繰り返しましたが、一週間程度で、長くても1カ月未満……差額ベッド代を支払ったことはほとんどありませんでした)
とはいえ、入院費用をカバーできる保険には加入しておくと安心です。
給付金をいくらにするかで、掛け金も変わってきます。
1日5000円~10000円程度カバーできたらかなり助かりますが、我が家は2000円でも有難かったです。
要は、家計に負担のない範囲の掛け金で充分だと思います。
加えて、父のリハビリ病院生活は、計4カ月。病院というよりも、見た目は老人ホームに似た介護施設仕様(しかも、父にはホテルに思えた!)だったので、
この経験が、頑固父のマインドをほぐし、翌年から遂に老人ホーム生活へと進む大きな布石となったのです。
だまし討ちのようなことをしましたが、諦めて家に連れて帰らず良かったと思っています。
ちなみに、リハビリ病院に行かずに自宅に帰って療養するケースも少なくなくて、私の知人のお父様も「頑固で転院をいやがって自宅で訪問リハビリにした」というケースでした。
が、歩けるようになるまで相当時間がかかったようです。
近年、リハビリ技術も更に進歩しているので、できるだけリハビリ病院で徹底的にトレーニングする方が社会復帰は早いかなと思います。
とはいえ、我が父も、その後、老人ホームに入るまで、そして入ってからも、根本は頑固親父であったために紆余曲折は多々ありました!
そこでももちろん、大後悔!
その話は、次回に!
- とにかく、何か起こる前に早めに介護保険の要介護認定申請を!
- 介護認定前でも、ベッドなど自費でレンタル可能な福祉用具もある
- 介護認定がなくても使える便利な介護タクシー(ネット検索でみつかる)
- 入院給付金でベッド代などカバーできる保険には入っておきたい。
- リハビリ病院転院計画も早めに立てて、リサーチ、見学も充分に!
ぜひ、ご覧ください!
『親も自分もすり減らない!? シングル介護術』(WAVE出版)