未婚・独身・一人っ子のパラサイトシングルのままアラ還に突入した筆者が体験した介護経験は、まさに大後悔アドベンチャー!
12年の歳月で、父を見送り、それからまた母を見送り……ああ、今度こそ失敗なきように……と思ったら、もう介護は卒業です。次はない!
でも、回りを見ると、同じような状況に置かれ友だちが悩んでいます。
後悔した経験が、似た立場のあなたに役に立てばと、今回は頑固な父の2度に及ぶ骨折騒ぎの大後悔を大公開!

絶対家がいいという父に初の試練が!

私の父は、11年前に87歳で他界しましたが、85歳まで大きな病気には無縁で入院したことがない健康人間でした。
ところが85歳になったとたんに大腿骨骨折を左右続けてやってしまい、それがきっかけで救急搬送・手術・そして長期入院を経て、その後の「老人ホームへの道」が始まりました。

85歳までずっと健康というのは幸せなことでしたが、それは介護生活とも無縁ということであり、そのことが実は父を厄介な怪物に仕立て上げていたのです。
お父さんは、絶対施設なんかには入らない。病気になっても他人の世話にはならん!」と、頑固一徹譲らない!
こういう親御さんに悩まされてるという話は、よく聞きます。
頑固な親の気持ちを変えさせるのは本当に至難の業で、私も最初はかなり手を焼いて、大後悔しました。

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そもそも大腿骨骨折の前に、骨が弱くなっている前兆がありました。
それは、その数カ月前に起きた腰椎の圧迫骨折です。
ある日、ふと見ると、父の足首からふくらはぎにかけてが、やたらむくんで腫れている……
丁度、母が急に腎臓が悪くなって透析を始めた直後のこと(※詳しくは「介護大後悔時代 vol.1介護には気持ちの柔軟剤が効く!」参照)で、母も最初、足や顔がむくんできたので、私はすわっ!「父も腎臓悪くなったか!」と慌てて、病院に連れて行ったのです。
が、内科の医師の診察では「数値的にどこも悪くないいけど、運動不足でしょう」というので、これに安心してしまったのがいけなかったのです。

介護には気持ちの柔軟剤が効く!

あとで判ったのですが、父の場合、足のむくみの原因は骨粗鬆症によるもので、背骨を繫ぐ軟骨が何カ所もすり減って痛み出し、歩行困難になっていく途中でした。
けれども「背中か、腰は痛いですか?」という医師の問診に父は「痛くない」と答えたので、単に老化と運動不足による足のむくみで片づけられていしまったのです。
大正生まれの父はとても我慢強くて、本当は痛かったのでしょうが、泣き言はいわなかったのだと思います。
私は腎臓のことばかり気にして、内科的に問題ないとされたこととで、とにかく散歩させることに熱心になり、父に無理を強いて、圧迫骨折の進行を早めてしまっていたのでした。

1カ月ほどしたある朝、父は急に一歩も歩けなくなり、布団での寝起きの困難になってソファーに座ったまま動かなくなりました。
それでも父は「病院には行かない、どこも悪くないのだから」の一点張り。
とはいえ、放っておけず、ご近所の方から車椅子を借りて、タクシーを呼んで、なんとか病院に連れていきました。
受け付けで相談すると、外科の受診を勧められ、そこでようやく圧迫骨折だと判明したのです。
本来なら入院すべき症状でしたが、病室が満室で、他の病院をあたってもらってもすぐに受け入れてくれる病院がなく、「当面は家でじっと寝てるだけで良い」
というので、また痛がる父を家に連れて帰ったのでした。

病院嫌いな父は家に帰れてほっとしたでしょうが、そこから娘の私には怒濤の介護生活が始まったのです。

頑固おやじのイメージ
「絶対他人の世話にはならん!」と、頑固一徹な父親 ※写真はイメージです

介護認定なくてもレンタルできる福祉ベッド

真っ平らな状態で、1カ月寝かせて、その間は食事も寝たきり、排泄も寝たきりで
それが、医師の指示でした。
しかし、背中が痛くて、和室に敷いた布団に寝るのを拒んだ父はまたソファーに座って、一ミリも動こうとしません。
困った私は、母の介護を担当しているケアマネさんに電話して相談しました。
最短で父の介護認定をしてもいたい。で、前倒しで介護ベッドを手配してもらえないでしょうか?」と。すると、ケアマネさんからは「とりあえず、福祉ベッドをレンタルしましょう。介護保険がきかない自費ですがレンタル料は安いですよ」という提案が!
ひと月数千円という意外なほどリーズナブルな料金でした。メーカーや機能にもよりますが、リクライニング機能のもっともシンプルなものなら、今でも自費で月々5000~6000円程度からレンタル可能です。
しかもケアマネさんに相談したので、翌日の午前中に搬入してもらえて、その神対応には涙が出ました。

介護ベッドのイメージ
ケアマネさんに相談してなんとかベッドを手配 ※写真はイメージです

母が腎不全で透析患者になり、介護認定を受けて頼りになるケアマネさんがついてくれていたおかげで、父のことでも助けてもらうことができました。
本当は、母より10歳も年長の父も、さっさと介護認定を受けておくべきでしたが父は「他人の世話にはなりたくないの一点張りで、進捗しないままだったのです。
たまたま母のケアマネがいたので相談できたのですが、相談できる人がいなかったら、慌てて高い介護ベッドを購入したか、それとも途方に暮れていたでしょう!
やはり、高齢の父がなんといおうと、早めに介護認定を受けておくべきだったと大後悔しました!

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