宮崎県延岡市で保険業や資産運用のアドバイスに携わる小田初光さんが、地方で暮らす生活者のリアルな視点で、お金に関するさまざまな疑問に答えます。今回は、ライフプランにおいてきわめて重要な「税金」について、富裕層の税金対策から、給与所得者でもできることを学びます。

  • 働きながら自分の仕事に自信を持ち、自分の価値を高めることが将来に役立つ
  • 富裕層は「お金を使ってから納税する」。給与所得者でも確定申告で実践できる
  • 「必要経費」をうまく活用して、税金を減らしながら自分の価値を高めたい

目先のお金を稼ぐだけでなく、自身の価値を高めていく

【質問】
うらやましいと思っているからかもしれませんが、お金を持ってそうな人といえば、会社の社長さんや、政治家さんなどしか思いつかなくて。やっぱり僕のようなサラリーマンにはお金持ちにはなれないのかな~、とつくづく実感してます。それってその通りですよねぇ?

このような質問は珍しくなく、特に最近はインフレが進んでいながら給与は上がらないこともあり、顕著に多くなっています。私も以前はそう思っていた一人になりますが、今では、お金がある人は「すごい」とは思いますが、「うらやましい」とは思いません。それぞれお金の価値観が違いますし、サラリーマンも立派な夢を与えられる職業です。

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どんな職種であれ、会社などの組織で開発や製造に勤しんでいることは、誇るべきことです。日本の多くの産業は誰が欠けても成り立ちません。問題は、自身でその価値を低く見ている点で、他の職業の人々と比較しながら悲観的になったり、うらやましくなったりするような思い込みはいけません。信念を持ったサラリーマンなら、退職後でも他方からの誘いが引く手あまたになるのは当然ですし、世間も休ませてくれるはずもありません。

一方で、老後2000万円不足問題を解決したいからと、2000万円貯めるために必死になって働き続け、使えるお金を絞って生活していては何も楽しくありません。これでは生きていくためにお金を稼ぎ出すのではなく、お金を稼ぐために生きているだけです。物価高の今日では、先の経済状況は誰にもわかりようもありません。もしかしたら、3000万円あっても不足かもしれないのです。それよりも、働きながら自身の価値を高め、今の仕事に自信を持つことで、お金は結果として付いてくるのだろうと思います。

楽しむために働くことも必要ですが……

お金の不安は誰しもあるものですが、だからといって2000万円、3000万円という数字にとらわれ過ぎるのは絶対ダメです。私自身は幼少期、家には自動車が存在していないどころか、タクシーも乗ったことがありませんでした。ですから、働き出したら車を持ちたい一心で、最初の自動車の購入から現在まで約15台乗り継いでいます。財務諸表からすると、自動車は「価値のない資産」となり、今振り返れば無駄遣いをしていたと思いますが、新しい自動車を買って運転するたびに感動し、満足し、楽しみ、そしてまた頑張って働きました。

資産が収入を生むキャッシュフローをどう作るか

モチベーション高く無駄遣いをして、借金もしていましたが、18歳から経済を動かしていたと思うと、自分に対してようやったね!と言いたいですね。これも価値の一つではないでしょうか? 価値観が広がればお金も増えてくるのだと信じたい自分がいます。とはいっても、楽しみながら働くだけでは、将来のためのお金は付いてきません。これからは、富裕層と言われる人たちが最低限実践していることを説明していきます。

富裕層と言われる人は「法人の税制」を活用する

一般的に、サラリーマンは働いて収入を得ます。そして、年度ごとに決まった源泉徴収によって納税して、残ったお金で生活設計を立てるという順番になります。ところが、富裕層は働いて収入を得て、お金を使って、最後に納税をすることを選びます。このように、富裕層とそうでない人とでは、お金を使う行動に違いがあります。ケチりながらぎりぎりで使うのか、余裕を見て楽しみながら使うのかは、大きな違いです。

大げさに思うかもしれませんが、これは源泉徴収で納税をしている一般的な給与所得者の方法ではなく、同じ給与所得でも、確定申告によって自分で年度末に納税する方法です。富裕層と言われる人たちは、たとえ給与所得者であっても、今のお金をどうしたら維持できるかを考えるために、個人の税制よりも「法人寄りの税制」に重点を置きます。

法人の税制とは、収入から合法的な必要経費を差し引いて所得を減らし、その残りに税金が課せられるというものです。会社の経営者は、この必要経費などをいろいろと利用して、納税額を減らしています。「なんだ、やっぱり経営者じゃないとできないのか」と思われるかもしれませんが、経営者だけではありません。事業の形態(個人事業、有限会社、株式会社など)によって、それぞれの利点を活用できます。どこに所属するかで、やれることは決まってきます。

確定申告
給与所得者も、確定申告で納税することで「法人寄りの税制」を活用できる

「必要経費」で税金を減らし、自身の価値を高める

所得には、10種類の所得と課税方式が決められています。その中で、個人でもでき、必要経費が認められる所得には、事業所得(個人事業主)、不動産所得、雑所得(各種所得以外の所得など)があります。サラリーマンでも、自身の給与所得と合わせて納税することを認められています。

給与所得は、あらかじめ必要経費として控除額が決められていますので何もできませんが、会社社長でなくても、合法的に自分で使ったものを経費として処理できます。例えばふるさと納税、iDeCoなどが控除として認められます。もちろん、何でもかんでも経費というわけにはいきませんが、控除として使える必要経費が、自ら楽しみながら自身の価値を高めるための経費だとしたら、こんなに有利なことはありません。

収入が増えても税金で持っていかれる状況、所得が増えれば増えるほど税金が増えていく累進課税制度は変わらないので、「お金を減らさない工夫」が必要です。人生設計の中で、税金は人生の終焉を迎えるまで避けて通れない国民の義務になります。ですから、あたりまえに納税して負担を無視するのではなく、どうしたら税金を軽減できるのかを知りましょう。そうすれば必然的に、心も豊かになれるかもしれませんね。

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