個人の資産形成において投資信託(投信、ファンド)の存在感が高まる一方、大きな調整局面を迎えて自分の保有している投信の基準価額が大きく下落している、なんて人もいるでしょう。今回登場するrennyさんは、ブログ「rennyの備忘録」を運営し、アクティブファンドを積極的に支持する人気の投信ブロガー。投資家向けのイベントなども実施するrennyさんに、コロナ危機下でどう投資に向き合うべきかお伺いしました。(聞き手・文=しらこしらお 取材日:3月26日)

rennyさん

rennyさん(twitter:@renny_29

東証1部上場企業に勤める会社員兼個人投資家。インデックスファンド派が多い投信ブロガーの中で、アクティブファンドをメインに運用している投資家として有名。「ゆっくり、のんびり、じっくり投資信託をコツコツinvest」をポリシーに掲げたブログ「rennyの備忘録」を運営。『投資信託事情』の発行人・編集長の島田知保さん、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんとともに「コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べ」を主宰する。FC東京のSOCIO(ホームゲームの年間チケット保有者)。

2017年2月以降、インデックスは購入せず

大きな調整局面を迎えていますが、ポートフォリオの組み替えなど、何かこれまでと変更したことはありますか?

rennyさん ポートフォリオの組み替えは特にしていません。ちょっとだけ上乗せしようと思い、その手続きをしました。

水への投資 世界的に不可欠な資源への投資機会 BNPパリバ・アセットマネジメント

買い増しのタイミングとしては、チャンスかもしれませんね。

rennyさん 確かにそうかもしれません。でも今回のコロナ禍は、何をもって収束といえるのか、いまの時点では何とも言えません。その意味では、リーマン・ショックや東日本大震災のときと比べても、個人的にはやや悲観的ですね。

ですから、いまはまだ嬉々として絶好の買い場が来た、と言える心境ではありません。今後ファンダメンタルズが悪化するのは明らかですし、いまが底なのかわかりません。底であってほしいですけどね。

現在のポートフォリオは?

トラリピインタビュー

rennyさん 最近あまりチェックしていないので詳細を把握しきれていませんが、『SMT グローバル株式インデックス・オープン』が30%ぐらいで、その次に多いのが『セゾン資産形成の達人ファンド』で20%ぐらいかな。以前は海外の会社にはインデックスファンド、日本の会社にはアクティブファンドとしていましたが、現在毎月追加で買っているのは、海外、日本ともアクティブファンドのみです。

rennyさんのポートフォリオ

どういった経緯でこのポートフォリオにたどり着いたのでしょうか。

rennyさん やっていたら自然とこうなった感じですね。2003年に投資をスタートした当初はインデックスファンドと、あとは『さわかみ投信』など買っていました。その後、2006~2007年ごろからインデックスファンドがメインになっていきましたが、2015年ぐらいかな、アクティブファンドの比率が徐々に増えていきました。いまでもポートフォリオの4割はインデックスファンドですが、2017年2月以降、インデックスファンドの買い増しはしていません。

きっかけは「スパークス」と「鎌倉投信」

アクティブファンドが増えていったきっかけって何だったんですか?

rennyさん スパークス・アセットの『新・国際優良日本株ファンド(愛称:厳選投資)』と出会ったのが大きかったですね。古くからの投資仲間から教えてもらいました。いまでこそ純資産総額が1000億円を超える規模、まぁいまちょっと割り込んじゃいましたが、当時はまだ本当に小さなファンドでした。

組入銘柄を確認してみると12~13銘柄と文字通り厳選していて、とにかくパフォーマンスがものすごくよかったんです。でも信託報酬が1%台の後半だったかな、インデックスファンドに比べるとちょっと高めだったんです。

インデックスメインで投資していれば、当然コストにも敏感ですよね。

rennyさん ええ。当時はコスト意識が高かったですね。でも『厳選投資』に関しては、「信託報酬が高くてもこれだけのパフォーマンスを残しているのであれば納得できる」と思い投資しました。これがアクティブファンドが増える一番のきっかけです。

実は『厳選投資』に出会うだいぶ前に鎌倉投信の『結い2101』に投資していて、このファンドも投資哲学など共感する部分が多くて。

「社会に必要とされる会社に投資する」とか、そういう投資哲学ですよね。

rennyさん そう。ああやっぱり株式投資って本来こうあるべきだよなって感じていました。だからこの2ファンドの存在が大きいですね。

日本株投資ならこうした優れたアクティブが何本かあるので、それを使うとして、海外はちょっとわからないのでインデックスでいいかなと、2017年2月まではそう考えていました。ただ、『セゾン資産形成の達人ファンド』に組み入れられたファンド、投資先をじっくり見て思ったんです、もう「インデックスファンドはいいや」って。

最近も、海外株式のアクティブファンドを1本、ポートフォリオに追加しました。

へぇー。ちなみにどこのファンドですか?

rennyさん ベイリー・ギフォードというスコットランドの運用会社のファンドで、三菱UFJ国際投信が『ベイリー・ギフォード世界長期成長株ファンド(愛称:ロイヤル・マイル)』という名称で設定しています。銘柄の入れ替えも少なく、長期の構えでどっしりした運用していて、純粋にここにお金を預けてみたいなと思えるファンドですね。

メルマガ会員募集中

インデックスファンドの次の一手