インデックスVSアクティブ論争は不毛

「インデックスとアクティブ、結局どっちがいいんだ?」という議論があるじゃないですか。どう思いますか?

rennyさん 単に個人の好みであって、どっちがいい悪いはないと思います。自分が納得して投資しているのであれば、仮にそれが足元で市場平均に劣後していたとしても、僕は別に構いません。

有効に分散されたポートフォリオであれば、インデックスだろうとアクティブだろうと、長期的に見たら運用成果がプラスになる可能性は高いと思います。

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でもまぁ、しょうもないアクティブファンドもたくさんありますよね。

rennyさん そうですね。でも個別のアクティブファンドを見ていけば、優れたアクティブファンドは存在する、というのが私の実感です。

あと、よくコストの議論になりがちですが、それについてはどうお考えですか?

rennyさん コストの議論はナンセンスです。インデックスファンドというのは、いわばその日その日の株価に合わせた目標となるポートフォリオをいかに安く作るかの勝負をしているのであって、アクティブファンドとは全く別もの。それを比べてコストを比較するのは意味がありません。

だからアクティブファンドを選ぶときにコストで選ぶというのは大間違いです。アクティブファンドのパフォーマンスとコストとの間には直接の関係がない、と私は考えています。異論はたくさんありそうですけどね。

株式投資とは企業の価値に投資すること

やはりアクティブファンドを選ぶ時に重視すべきは、コストではなく、「どんな運用をしているのか」「どんな銘柄に投資しているのか」などでしょうか。

rennyさん そうです。株式投資とは企業の価値に投資することに他なりません。そして個人ではなかなか見いだせない企業価値や投資機会を探してくれるのがアクティブファンドの役割だと思います。その仕事のために投資家はフィーを払うのであって、それが高いというのであれば、買わなければいいのです。

僕は、アクティブファンドにとって目下の環境は、ある意味チャンスだと思っています。

と、いいますと?

rennyさん アクティブファンドの運用にとっていま一番大切なことは、コロナ禍後の世界に価値を提供できる企業を選ぶことです。下値を抑えるとか、そういうことではありません。

こうした危機的な状況こそ、投資先を厳選することの意味が問われると思いますし、アクティブファンドにとっては真価を発揮する絶好のチャンスです。

投資先に関心を持たないのは無責任

インタビューを受けるrennyさん
「アクティブファンドにとっていま一番大切なことは、コロナ禍後の世界に価値を提供できる企業を選ぶこと」と語るrennyさん

なるほど。銘柄を厳選して投資するというのは、インデックスファンドとの大きな違いでもあります。

rennyさん インデックスファンドの投資家はよく、長期の株価チャートを見て「株価は戻るから大丈夫」なんていいますよね。でも株価が戻るのは、世の中に価値を提供する企業があるからです。そういう株価上昇の裏付けになる優れた企業に注目することもなく、単に指数を構成する銘柄に機械的に投資するというのは……やっぱり僕はいやだな。

投資にお金を回せる人というのは、ある意味とても恵まれた立場にいる人だと思うんですよね。世界にはその日一日をどう生きるかで精いっぱいの人だっています。だからこそ、人より恵まれている環境にいる投資家が、どんな企業に投資しているか理解しようともせずに「少しでも有利にお金が増えればいいや」程度の気持ちで投資するというのはちょっとね……。

投資初心者ならそれでもいいですよ。でもある程度人生経験も投資経験も積んだことで、自分の投資資金がどんな会社に行っているのか関心を持った方がいいんじゃない? それで本当にいいの?、なんて強く感じるようになりました。もちろん、株式投資や資産運用をどうとらえるかは人それぞれなので、こういう考え方を押し付けようとは思いませんよ。本当にいろいろなとらえ方がある中で、僕は自分のお金が世の中に価値を提供する会社に流れてほしいし、投資に自分の意思を込めたい。その会社がより良い世の中の創出に貢献し、業績もアップすれば、僕も投資の恩恵を受けられます。そういう好循環を生み出すのが株式投資ですよね。

そうですよね、やっぱりリターンも重要ですよね。

rennyさん もちろんです。リターンは投資の重要な目的です。でもただお金が増えさえすれば何でもいい、とは思えないな。まぁ自己満足といわれれば、そうかもしれませんけどね。

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