コンビニのコーヒーを買う感覚で始める投資

「100円で投資ができる!」と聞くと、「宝くじでもあるまいし、そんな簡単にお金がもうかるはずがないじゃないか」と思われるかもしれません。

「実は、100円を1億円に増やす方法があるんです!」

という景気のいい話のひとつもしたいところですが、その可能性は、それこそ宝くじを当てるくらい難しいものです。
ここではそういう一攫千金の投資ではなく、より堅実にお金を育てていく投資の入り口としての「コンビニのコーヒーを買う感覚で始める投資」について紹介したいと思います。

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2018年に始まった、積立投資を支援する非課税制度

皆さんも一度は耳にしたことがあるであろう「NISA」(ニーサ)という投資の制度。「少額投資非課税制度」のことで、2014年にスタートしました。株式や投資信託などの金融商品を買い、そこから得られた利益が、一定の条件で非課税になる制度です。
NISAでは毎年120万円まで非課税で投資できるのですが、非課税期間は5年間と決まっています。たとえば、2019年に株式を50万円で買い、4年後の2023年に80万円に値上がりした場合は、値上がり益の30万円には税金はかかりません。ところが、非課税期間が終わったあとの2024年に90万円に増えたら、1年間で増えた10万円には税金がかかります。

5年というとずいぶん長い期間に思えますが、景気のサイクルを考えると、投資の成果を得るには必ずしも十分とはいえません。
そこで、非課税期間を20年に延ばした新たな制度が2018年に始まりました。それが「つみたてNISA」です。
その名が示すとおり、積立投資に適した制度です。金融庁のホームページでは「少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です」と紹介されています。一般NISAと違って1年間で投資できる上限は40万円ですが、仮に毎年40万円をつみたてNISAで20年間投資し続けると、合わせて800万円分を非課税で投資できることとなります。

小さく始めて、成功体験を重ねる

証券会社によっては1日100円という少額で始められるのがつみたてNISAのメリットです。また、一般NISAでは株式や投資信託などさまざまな金融商品を買えますが、つみたてNISAでは、特定の投資信託のみが対象となります。いずれも運用にかかる手数料が低く抑えられており、「負けにくい」設計になっています。

もっとも、投資信託では一攫千金は狙えません。良くて1年で50%上がる程度。それも毎年続くことはなく、大きく下がる年もあります。10年間の平均で見ると、どれだけ優秀な投資信託でも、最大の上昇幅は年平均10%程度でしょうか。投資額が少額であれば、期待できる利益も当然少なくなります。
例えば1日100円の積立投資をする場合、平日は月20日程度なので、月額2000円、1年で2万4000円分投資することになります。これが仮に年間20%上がった場合でも、利益は4800円。非課税なので全額そのまま受け取れるのですが、1年で4800円というのは、将来のための資産形成という観点では心許ない金額です。

とはいえ、最初から何万円も投資するのは勇気がいるものです。投資信託は値動きがある金融商品なので、買ったとたんに大きく下落することもありえます。まずは小さく始めて、「投資をすれば値下がりすることもあるけれど、続ければ利益が出やすい」ということを体験として知ることが大切です。
一度投資を経験すれば、その後は自信と確信を持って投資と向き合うことができます。これから長年にわたって資産運用を続けるための入り口として、少額でつみたてNISAを始めてみるといいかもしれません。

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