内閣府の男女共同参画局「男女共同参画白書 令和3年版」によると、共働き世帯は全国で1240万世帯となっています。2人で家計を支えるため、もしもの時のリスクは少ないと考え、生命保険はあまり必要ないだろうと考えている人もいるかもしれませんね。共働き世帯が必要な備えについて考えてみましょう。
- 共働き世帯は、片方の収入が途絶えると家計が立ち行かなくなるリスクがある
- 民間の保険を検討する前に公的制度を活用することから始める
- 死亡時の保障だけでなく、自分とパートナーの病気やケガのリスクにも備える
共働き世帯で家計が安定していれば備えは不要か?
共働き世帯の強みは、収入の複線化にあります。どちらか一方にもしものことがあっても、すぐに収入がゼロになるわけではないので、その点については安心感があるかもしれません。しかし、リスクがゼロというわけでもありません。
共働きということで、賃貸物件の場合であれば家賃の金額や、将来必要になる資金の準備計画など、家計の組み立てを2人分の収入を前提に決めているかもしれません。そうなると、どちらか片方の収入が途絶えた場合、これまでと同様の支払いや貯金は難しくなる可能性があります。
共働きのご家庭でも、もしもの備えを用意しておけると良いでしょう。特に共働きではあるがそれぞれの収入に差がある場合などは、遺されたパートナーや家族が安心して過ごせるように、しっかりと準備を進めていきたいですね。
公的制度+アルファの備えがあると安心
備えとして、まずは公的制度の活用を考えるところから始めてみましょう。
病気やケガでの療養の場合は傷病手当金、死亡時には遺族年金などの公的制度があり、それで一定期間の生活を支えることができるでしょう。遺族年金は、加入している年金の種類が国民年金か厚生年金か、また遺族の状況などによって、受け取り金額や期間が変わります(傷病手当金の受け取り額や条件についての概要は以下の記事でも説明しています)。
また、子どもがいるご家庭の場合、児童扶養手当や児童育成手当、自治体独自の給付金などを受け取れる可能性があります。児童扶養手当や児童育成手当は、父母の死亡などでひとり親となっている家庭などが対象で、児童の人数や年齢に応じた金額を受け取れます。
これら公的制度を活用すれば、生活費などについて一定の保障を確保できそうです。ただし、元々の収入と同額を受け取れるわけではないことと、所得額などが要件を満たしていない場合は支給されない点には注意が必要です。また、自営業や個人事業主などの場合、一般的に会社勤めの方よりも公的保障が手薄になっていますので、会社勤めから開業に至った人はその違いにも気を付けたいところです。
公的制度を活用することが難しい場合や、公的制度にプラスして教育費などのまとまったお金を得られるようにしておきたい場合には、死亡保険の検討をおすすめします。死亡保険は原則として、責任開始日以降であればまとまった金額を受け取れますので、貯金が十分でないご家庭でも安心を確保できそうです。
死亡保険の保障額については、ご家庭の状況によっても異なります。例えば持ち家で、ローン返済については団体信用生命保険を契約しているのでもしもの時も大丈夫なのであれば、その分保障額を削減しても良いかもしれません。自営業や個人事業主は、会社勤めの方と同等の保障を得られるよう、保険で備えを手厚くしておくのも方法の一つです。死亡保険の種類によって保険金の受け取り方などが異なりますので、こちらの記事をご覧になってください。
生存時の保障も合わせて確保するように検討を
死亡時の保障だけでなく、生存時の保障も大切です。入院や手術を受けた時、病気やケガの療養で長期間働けなくなった時など、共働き世帯でも様々なリスクがあります。
自分とパートナーのどちらも病気やケガで長期間お休みをしなくてはいけないとなると、収入が大幅に減少してしまう可能性もあります。そういった時には医療保険や就業不能保険などを頼ることもできますので、心配事に合わせて検討してみてください。
長い人生、2人の将来のライフイベントに備えて、活用できるものはしっかりと活用して、安心して過ごせるようにしたいですね。