経済の世界ではめまぐるしい変化が日々起こっています。近年、その変化の代表例といえるのが、デジタル化によって仕事の効率化や、豊かで利便性の高い世界の創出を果たすDX(デジタル・トランスフォーメーション)でしょう。DXをけん引するDX銘柄は、さまざまな業界のビジネスを変革し、経済成長を促しています。本記事ではDX銘柄に投資する方法について解説します。

  • いま注目の投資テーマはDX。経済産業省も注目している
  • DX銘柄に投資するには、投資信託を活用するのが効率的
  • DX銘柄は成長途中の企業も多く、株価の値動きが大きいこともある

いまさら聞けない? DXって何!?

DXとはデジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation)の略語で、IT技術を活用することで、人々の生活をより便利にするための取り組みです。また、IT技術の活用によって、企業の生産性や市場における競争力を上げる取り組みも、DXに含まれます。政府が励行する働き方改革を実現するために、多くの企業がDXを推進している状況です。また、コロナ禍を背景に、これまで人が行っていた業務をデジタル化する動きも加速しています。

DXは、あらゆる分野の成長に貢献するため、DX関連の銘柄は今後も成長が期待されており、投資家が注目するテーマの一つとなっています。

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経済産業省が注目のDX銘柄を発表している!

具体的にどのようなDX銘柄に注目すればいいのか気になるところですが、実は経済産業省が注目のDX銘柄を発表しているのです。経済産業省は、東京証券取引所と共同でデジタル・トランスフォーメーション銘柄を選定し、選定企業28社と注目企業20社を発表しています。

選定された銘柄はデジタル技術を活用したビジネスモデルが中心で、今後の成長が期待できるものばかりです。DXは経済産業省も注目するテーマとなっており、投資先として有望なテーマのひとつといえるでしょう。

参考:経済産業省/「DX銘柄2021」「DX注目企業2021」を選定しました!

DX銘柄に厳選して投資する

DX銘柄に投資をする方法は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、個別に企業を選定して投資する方法です。個別に企業を選定する場合は、経済産業省の発表内容などを参考に、今後の成長が期待できそうな企業へ個別投資するという方法になります。ただし、個別株に投資をすることは大きな利益をあげられる可能性もありますが、一社に集中投資をした場合、投資先の経営状況が悪化すると大きな損失を抱える可能性もあります。また銘柄によっては、ある程度まとまった投資資金を用意する必要があるかもしれません。

2つ目の方法は、DX関連銘柄に投資をする投資信託への投資です。DX関連銘柄に投資をする投資信託なら、1本で複数のDX銘柄へ投資をすることが可能です。そのため、業種の垣根を越えて、DX関連全体の成長を享受できる点がメリットです。また、投資のプロである投資信託のファンドマネジャーが銘柄を選定してくれる点もうれしいところでしょう。

DXのイメージ
DXは経済産業省も注目するテーマ。投資信託を使えば、海外のDX銘柄にも気軽に投資できる

個別銘柄の中には、1年で株価が10倍になるDX銘柄があるかもしれません。しかし、それを見極めるのはきわめて難しいでしょう。それならば投資信託を通じて複数の銘柄に分散投資するのも一案です。そこでDX関連銘柄に投資をする代表的なファンドを2つ紹介します。

グローバルDX関連株式ファンド(資産成長型)

グローバルDX関連株式ファンド』は、三井住友DSアセットマネジメントが運用している投資信託です。世界のDX関連銘柄に分散投資をすることで、世界経済全体のDX関連企業の成長を享受できます。

2020年9月に設定された同ファンドは、2021年11月時点で基準価額が15,000円台まで上昇しましたが、2022年に入ってからは下落傾向です。組み入れ銘柄はアメリカ企業が7割を超えていますが、アメリカ以外にイスラエル、日本、ルクセンブルグ、カナダなど幅広い地域のDX関連銘柄に投資をしています。

グローバルDX関連株式ファンド(資産成長型)

  • 資産運用会社:三井住友DSアセットマネジメント
  • 純資産総額(2022年1月27日現在):618億500万円
  • 設定日:2020年9月15日
  • 騰落率(2022年1月27日現在):+4.2%(設定来)
  • 信託報酬(実質的な負担):純資産総額に年率1.903%(税抜き1.79%)程度をかけた額

また、『グローバルDX関連株式ファンド』には、上記の資産成長型と予想分配金提示型の2つのコースがあります。

デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)

デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)』は、日興アセットマネジメントが運用する投資信託です。同ファンドは、コロナ禍で注目が高まる「非接触型ビジネス」を展開する世界の企業の株式に投資をしています。組み入れ比率は、アメリカの企業が70%を超えており、経済が好調なアメリカを中心とした非接触型ビジネス成長の恩恵が受けられます。

2020年7月に設定された同ファンドは、基準価額が一時16,000円台まで上昇しましたが、2022年1月時点では8,000円を割り込みました。DXは成長著しい分野と考えられていますが、期待先行の値上がりからの反動などで値動きが大きくなりやすいのかもしれません。

デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド(愛称:ゼロ・コンタクト)

  • 資産運用会社:日興アセットマネジメント
  • 純資産総額(2022年1月27日現在):3044億円
  • 設定日:2020年7月31日
  • 騰落率(2022年1月27日現在):-21.7%(設定来)
  • 信託報酬(実質的な負担):純資産総額に年率1.7985%(税抜1.635%)程度をかけた額

同ファンドにも予想分配金提示型というコースがありますので、利益をこまめに確保したいと考える方はこちらを選択してもいいでしょう。

まとめ

DX関連銘柄は、今後も高い成長力を維持する可能性が高い投資テーマといえるでしょう。日本の個別銘柄に投資をするのであれば、経済産業省が選定したDX銘柄がひとつの参考になるかもしれません。

世界全体のDX銘柄に投資をするのであれば、投資信託を通じて投資をするといいでしょう。DXの中心は経済大国のアメリカであり、投資信託であればアメリカのDX銘柄の成長の恩恵が受けられます。

ただし、DX銘柄は成長途上にある企業が多く、値動きが大きくなることもあり、基準価額が大きく下がる場面もありえます。値動きのリスクには十分留意して投資をする必要があります。

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