日本ハムは2022年10月、食品会社としては初となる個人投資家向けのサステナビリティボンド「北海道日本ハムファイターズボンド」を発行します。この社債で調達した資金は、2023年春に開業を予定している北海道北広島市の新球場建設の支出に充当するとしています。

  • 食品会社初の個人投資家を対象とした日本ハムのサステナビリティボンド
  • 「DBJ Green Building認証」制度で最高評価の新球場建設に充当
  • 予定利率は年0.30~0.50%。購入するには取り扱い証券会社の口座が必要

食品会社初! 個人投資家向けサステナビリティボンド

サステナビリティボンドとは債券の一種で、社会課題や環境課題に取り組む事業用の資金を調達するために発行される債券のことです。通常の社債などと違って、資金の用途があらかじめ限られていることが特徴です。

利回り? 額面金額? 債券用語をわかりやすく解説

ニッポンハムグループは、2021年度からの3年間を対象とした「中期経営計画2023」で「持続可能性の追求」を経営方針の骨子とし、「Vision2030」の策定を機に、優先的に解決すべき社会課題を「5つのマテアリティ(重要課題)」と再特定しています。

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資金調達においても、2021年2月には機関投資家(資産運用会社や年金基金、保険会社などの大口投資家)を対象にサステナビリティボンドを発行。さらに一連の取り組みをより幅広く認知してもらうため、今回、食品会社としては初めてとなる、個人投資家を対象としたサステナビリティボンドの発行を決めました。

「北海道日本ハムファイターズボンド」の概要
名称 日本ハム株式会社第15回無担保社債
(社債間限定同順位特約付)
(サステナビリティボンド)
愛称 北海道日本ハムファイターズボンド
社債総額 200億円
年限 5年
利率(仮条件) 年0.30~0.50%(税引き前)
条件決定日(予定) 2022年10月7日
取得格付(予定) A(R&I)、A+(JCR)
申込期間 2022年10月11日~10月20日
利払日 毎年4月21日および10月21日
最低購入金額 1口あたり100万円
販売会社 野村證券、みずほ証券、
三菱UFJモルガン・スタンレー証券、
大和証券、岡三証券、SBI証券

サステナビリティな新球場でリーグ最下位から逆襲!?

日本ハムは、プロ野球パ・リーグの北海道日本ハムファイターズの本拠地球場として、北海道北広島市に「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコン フィールド HOKKAIDO)」を建設中です。収容人数は3万5000人。周辺環境との調和を第一に、建物中層部にテラスや屋上庭園を造るなど、地域に溶け込むデザインが特徴です。

さらに、防災備品を備蓄し、災害時にはフィールド・コンコースを開放するなど避難スペースとして機能。3万5000人が3日間使用可能な水(上水・排水)を確保する予定です。多機能トイレや車いす利用者専用駐車場も整備し、様々な人が利用しやすい空間を目指します。

日本ハムファイターズの新球場
新球場の屋根は2枚構造で、うち1枚が可動する(写真はイメージ)©H.N.F

新球場建設は、日本政策投資銀行の「DBJ Green Building認証」制度で環境・社会への配慮がなされた不動産としてトップ評価の5つ星を取得しています。同社では、サステナビリティボンドで調達した資金を新球場建設に関する支出に充当することで、持続可能な環境・社会の実現に貢献していくとしています。

トラリピインタビュー

「北海道日本ハムファイターズボンド」を買うには?

「北海道日本ハムファイターズボンド」は、特定の証券会社で購入できます(図表参照)。「ファイターズボンド」を扱う証券会社に口座を持っていない場合は、事前に口座を作っておく必要があります。

最低購入単位は100万円と、個人向け国債や投資信託などと比べて気軽に投資できる金額ではありませんが、利率は仮条件ですが年0.30~0.50%と、同じ5年の定期預金や個人向け国債を上回ります(実際の利率は10月7日に決まる予定です)。社債なのでリスクはありますが、5年で着実にお金を増やしたい方には有効な選択肢のひとつといえます。

債券の“元本割れリスク”について考える

話題のBIGBOSS率いる北海道日本ハムファイターズの2022年シーズンは、残念ながらリーグ最下位でした。新球場は2023年春の開業予定です。新しいホームスタジアムで逆襲を誓うチームをサステナビリティボンドで応援する――。ひと味違った資産運用が楽しめそうですね。

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