ユーロ/円は底堅い動き、145円まで上昇の可能性

ユーロ/円の見通しはいかがでしょうか。

エミンさん ユーロ/円は200日移動平均線の上にあり、ドル/円よりも底堅いと見ています。

欧州のインフレは引き続き高水準にありますが、天然ガスの価格は下がり、ブレント原油もロシア・ウクライナ戦争当初の120ドルから80ドル程度まで落ち着いています。米国と比べて利上げ余地が大きいことも底堅さの要因です。

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138~142円のレンジで推移しながら、ECB(欧州中央銀行)の政策次第で145円まで上昇していく可能性もありそうです。

【図表2】ユーロ/円の推移(2022年1月~直近、日足、終値)
ユーロ/円のチャート

ペソとレアルは対ドルでも強い

ドル、ユーロに限らず、注目の通貨はありますか。

エミンさん メキシコペソとブラジルレアルです。昨年、円が対ドルで3割下落する一方で、両通貨は上昇しました。壮絶なドル高の環境下で価値を高めたことは特筆に値します。

【図表3】メキシコペソ/円の推移(2022年1月~直近、日足、終値)
メキシコペソ/円のチャート

その強さにはいくつか理由があります。まず地政学リスクの影響を受けにくいこと。ウクライナ戦争も台湾有事も、メキシコとブラジルへの影響は限定的です。加えて、両国は資源国でもあります。メキシコは原油、ブラジルは鉱物資源に恵まれており、資源高になると通貨も買われやすくなります。もう1つ、特にメキシコは米中対立の恩恵を受け始めています。米国に隣接するメキシコはサプライチェーンの移動先として注目を集め、米中企業の新たな拠点とする動きが見られます。

構造的なアドバンテージは今後も続くことが見込まれ、上昇の余地がありそうです。メキシコは10.5%、ブラジルは13.75%という政策金利の高さも魅力であり、有望な投資対象ではないでしょうか。ただし、選挙の際などに政治リスクが高まることもあり、値動きの大きさには注意しましょう。

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