アクティブファンドの中でも特に中小型株に投資する商品は、ファンドマネージャーの手腕がもっとも問われる商品特性を持っているかもしれません。上手くいけば大型株ファンドよりも優れたパフォーマンスが期待できる中小型株ファンドについて解説します。
- 中小型株は短期的なテーマで急騰するなど大型株よりも値動きが激しい
- 値動きが激しい分、うまくいけば大型株を上回る収益を狙える
- アクティブファンドなら、少額から複数の中小型株に分散投資することも可能
大型株・中型株・小型株の分類
東証株価指数(TOPIX)構成銘柄は、時価総額などの基準で大型株・中型株・小型株の3つに分類されます。大型株とは、TOPIX構成銘柄の中から、時価総額と流動性が高い上位100銘柄を指します。テレビコマーシャルなどでもお馴染みの有名企業が多く、皆さんが日常生活で使っている商品やサービスを提供している会社も多いでしょう。
大型株に次いで時価総額と流動性が高い400銘柄を中型株、それ以外が小型株と呼ばれています。中型株や小型株の中には、知らない企業も多いかもしれません。そのため、イメージがわきにくく、株式投資を検討しようにも、個人では銘柄選択が難しいかもしれません。
そして、TOPIXの構成銘柄ではない、スタンダード市場やグロース市場、地方市場に上場している株式もあります。中でも旧マザーズ市場・旧JASDAQグロース市場を引き継いだグロース市場には大きな伸びしろを持つ新興企業が多数上場しており、これらのほとんどは中型株か小型株の位置付けになります。
中には中小型株を専門にするハイレベルな投資家もいますが、フツーの投資家の皆さんが中小型株投資を検討する際には、以下で説明するように当たり外れが大きい個別銘柄を狙うより、複数の中小型株に分散投資できる投資信託を検討するのが合理的かもしれません。
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中小型株投資のメリット・デメリット
そもそも中小型株投資にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。具体的に考えていきましょう。
中小型株は大型株に比べると、高い成長(中には大化けする銘柄も……)が期待できるため、成長に応じた株価の上昇や配当の増額が期待できるのがメリットです。
中小型株に分類される銘柄は未成熟な企業が多く、大型株よりも大幅な値上がりが期待できる銘柄が眠っている可能性があります。また、海外での事業も手掛ける大型株は海外の経済動向に左右されやすい傾向がありますが、中小型株の多くは内需が主体で、外部環境の影響を直接受けにくいこともメリットかもしれません。
その一方で、中小型株には財務基盤が脆弱な企業や、持続的な収益力の向上が期待できない企業、時代の変化にキャッチアップできていない企業などが含まれている可能性も小さくありません。好不況など経済情勢の変化に影響を受けやすい企業も多く、景気後退時には、体力のなさが露呈して上場廃止や倒産に至ってしまうかもしれません。
中小型株ファンドで複数の銘柄に分散投資
大型株と比べると中小型株は投資を判断する情報が少ないことも、銘柄選定が難しい理由のひとつです。銘柄選定での失敗を避けたい場合は、個別銘柄を買うのではなく、中小型株を対象とするアクティブ型の投資信託(中小型株ファンド)を活用するといいでしょう。
中小型株ファンドは、専門の運用チームが企業をリサーチしてくれて、それを元にファンドマネージャーが複数の銘柄を選定し、分散投資してくれるので、自分で個別銘柄に集中投資する場合と比べて、急な値下がりのリスクを回避できる可能性が高くなります。さらに、限られた開示情報から成長性が期待できる銘柄を自分で選ぶ手間が省ける点も、中小型株ファンドを活用するメリットといえます。
このように、中小型株に投資をしたいと考える方にとって、投資信託は有力な選択肢のひとつといえます。ここからは、運用実績や純資産総額などをもとに編集部が選んだ、代表的な中小型株ファンドを紹介します。