貸し借りをクリアにして、人生の再生と成長を!

債権回収のプロとして経験豊富な石川さんに、具体的な回収方法を聞いてみました。
「基本はシンプルです。債務者のいいわけは一切聞かず、返済を待ってほしいと、どんなにお願いされても、すべてNOと断ることです」

それには理由があるといいます。
「なぜなら、債務者に人間としてもう一度再生して、成長してもらいたいからです」

しかし、そこには修羅場もあると石川さんはいいます。
「借金を抱えたまま、『何とかなる』と、甘い考えでいる人は、初めは『お金の大切さ』や『約束の重み』が理解できないのです」と。

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それは、生活態度にも表れます。
「借金は抱えていても、一度ワンランク上の生活を味わうと、生活のランクを下げるのは難しく、一刻も早く、一円でも多くお金を返さなければいけないのに、甘い考えの債務者は相変わらず高級な賃貸マンションに住んでいたり、外車に乗っていたり、ブランドもので身を固めた恰好をしている」と。

しかも、債務者は、「自分のいい分を受け入れてもられないと、やがて感情的になって癇癪を起こしたり、怒鳴ったりもします」と。

お金を借りた側の人間が、催促した人間に向かって声を荒げて怒るというのも、おかしな話ですが、貸したこちら側の方が遠慮して萎縮するという滑稽な現象が、実際に起きてしまいます。
あるいは、こちらも感情が荒立ってしまったり……。

しかし、債権回収のプロであれば、相手の感情に左右されず、冷静にNOをいい続け、「約束を反古にすることで失うものがどれだけあって、どんなに怖いか」を気づかせるまで粘るのだそうです。

「『仕方ありませんね、法的手続きを取りますよ』といったところで、甘い考えの人は、『法的措置がとられたら、どうなるか?』ということが、最初は理解できない」と石川さんはいいます。
法的措置によって裁判所による強制執行にまで至ってしまった結果、財産も、それまで築いてきた社会的信用を失うことになりますが……。
「悲しいかな、彼らは一度、すってんてんになって、社会的信用も失ってみないと、その意味がリアルにわからないのです」と、石川さん。

ただし、「やがて、約束を反古にしたことで、友人にも去られ、家族にも愛想をつかされ、誰一人として、自分を助けてはくれないとわかった状態になったとき、人は初めて再生に向かって方向転換できる、生き方を変えられる」と石川さんはいいます。

『お願いですから、お金を返させてください!』

「あれほど、考えが甘く、傲慢だった債務者が、心からお金を返したい、返させてくださいと願うときがきたら、そこからが再生のスタートなのです」
と石川さん。

「なぜなら、すべてを失った人が、再び社会的信用を回復するには、唯一、コツコツとお金を返し、約束を守ることしかないからです。そこに至るまでに、考え悩み抜いた上での言葉があってこそ、貸した側からすると、ようやく相手の声を聞く価値がある状態となるのです」と。

希望のイメージ
借りたお金はきちんと返していく。そこから人生の再生は始まる。

もちろん、法的措置をとるのは最終手段であって、「『何を言ってもNOとしかいわれない、どうしたものだか』、とそのことに気づいてくれた段階で、ちゃんとお金を返すことに考えが改まることも多々あります」と石川さん。

「元来、その債務者の人間性は良い人で、生真面目さが裏目に出て、借金で首が回らなくなったというケースもあります。そういう人であれば『何故このように借金が膨らんでしまったのか』を、そして『これからどう生きていかなければならないか』と考えてもらえる」と、石川さんはいいます。

そして、ようやく「貸した側からすると助けてあげたい気持ちにもなるものです。職がないのであれば就職の支援とか、商品の在庫の処分とか、回収できない売掛金の回収とか、身内などへの金策の同行とか……。できることを一緒に考えます」と。
そう、借金を取り立てるだけでなく、ちゃんと寄り添ってももらえるのです。

つまるところ、借金は一人では返せないわけで。
やはり、誰かに助けてもられなければならなくなります。
しかし、回収する側は、いろいろな策を練ってはくれるものの、一緒に汗を流して働いてはくれません。

一円でも多く稼げるように、額に汗して一緒に苦労して、助けてくれるのは、愛情で結ばれた夫婦、パートナーや、そして血が繋がった親子、あるいは心から大親友と呼べる人……。たとえ一度は離れてしまったり、愛想をつかされた場合であっても……。
石川さんは、長い経験から「どんな人にも、助けてくれる誰かというのはきっといます。この誰かこそが、お金が返せなくなった人にとっての唯一残された財産なわけです」といいます。

助けてくれる人のイメージ
どんな人にも、助けてくれる誰かはきっといる。この誰かこそが、お金が返せなくなった人にとって唯一、残された財産

石川さんの話を聞きながら、筆者の友人のこんなエピソードを思い出しました。
高校時代の同級生の話です。

30代で起業したA君は、会社の運営が芳しくなく、金策に困って高校の同級生のY君を訪ね借金を申し込みました。しかしY君はこういいました。
「お前に貸してやる金はある。だけど、お前に貸した時点で、もう友達ではなくなる。お前、友情を失っていいのか?」

A君は、Y君からはお金を借りず、がむしゃらに働いて、やがて事業を軌道に乗せました。その陰にはY君が紹介してくれた沢山の人脈(=得意先になってくれた人たち)というサポートがあったといいます。

いやはや、お金の工面よりももっと大事なことは、やはり、親身になって助けてくれる人なのですね!
見栄も、恥も捨て、困ったときに助けてくださいといえる人は誰か?
「人生の債権回収、債務整理」において、人こそ財産だとしみじみ思います。

冥利に尽きるのは「人生の恩人」といわれたこと!

石川さんが債権回収の仕事をしていて、嬉しかったことは「あなたのおかげで目が覚めて、今がある」と元債務者の方からお礼をいわれたことだといいます。

「元債務者の方は、大きな会社の事業主でしたが、一度、多額の借金を抱え、何もかも失い、ゼロから再スタートを切りました。とにかくまずは信用回復だと、誰もやらないような仕事も厭わず働かれて、借金も返済。やがて、新しい事業を起こされ、以前の会社よりも大きな会社に成長されています」と。
まさに、債務者の再生と成長を目の当たりにして、石川さん自身も感無量だったと。

債務者と債権者は相克する関係にあると思っていましたが、一番苦しい時に伴走してもらい、人生の正しい道に導いてくれた恩人として、「その後、お子さんの結婚式に呼んでもらったりする」いい関係が築ける場合もあるのだとか。

良い関係のイメージ
債権者と債務者にいい関係が結ばれ、その後の人生が豊かになることも

多額の借金で人生を棒に振るのは、事業主だけではありません。会社員であっても、フリーランスでも皆同じ。

この先の時代は、雇用形態がどうであれ、一人一人が個人事業主であるが如く、お金を扱う事に対しても高い意識を持つことが要求されると思います。

なので、まずは、肩に重くのしかかる貸し借りは、一度しっかり見直して、「約束」と「信用」を守る人生に、しっかり整えていきたいと思いました。
この先、さらにアップグレードするための自己投資として!

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