日本に6000本以上あるといわれる投資信託。名前を見ても似たような商品ばかりで、何を基準で選べばいいのか、投資初心者にとっては難しいものです。ご自身の目的に合った投資信託を選ぶためには、その中身を調べることが大切です。以下に挙げる6つのポイントで比較してみてはいかがでしょうか。
- 投資信託は、どんな資産に投資しているかで値動きの傾向が大きく変わる
- アクティブ型かインデックス型か? 分配金重視か値上がり益重視か?
- 投資信託はリスクの確認が大切。どの金融機関で買えるかも重要なポイント
①投資先……投資信託を選ぶ最重要ポイント
投資信託という金融商品は、どんな資産に投資しているかで、その性格がまったく変わってきます。具体的には、投資先が株式であれば、企業の成長に合わせて値上がりしていきますが、値下がりの可能性もあり、値動きは比較的大きくなります。
これに対して、投資先が債券であれば、値動きは比較的小さく、大損する可能性は小さいですが、大きく増やすことも難しくなります。
また、同じ株式や債券でも、それが国内のものか、海外のものかで値動きは大きく異なります。海外の資産は為替相場の影響を受けるので、投資先が国内か海外かは重要な違いです。
このほかの投資先としてはREIT(不動産投資信託)などが挙げられます。株式と債券とREITを詰め合わせにした「バランスファンド」と呼ばれる投資信託もあります。
どんな資産に投資しているかを確認し、直近の運用成績(騰落率など)を見たうえで、その投資信託を買うかどうかを判断するといいでしょう。
②運用の種類……投資信託の運用方針や仕組み
同じ国内株式に投資する投資信託でも、どのような方針で運用するかによって、投資成果は大きく変わります。
たとえば「アクティブ型」「インデックス型」という分類があります。アクティブ型とは、投資信託の運用会社が銘柄を厳選して、市場平均を上回る運用成果を目指すもの。これに対して、インデックス型とは市場平均への連動を目指す投資信託です。
このほかの分類として、運用会社が投資先の組み替えや配分変更などを行う「ラップ型」と呼ばれる投資信託や、運用を終了する時期をあらかじめ定めたうえで運用方針を切り替えていく「ターゲットイヤー型」という商品もあります。
ご自身の目的に合った種類の投資信託を選ぶことが大切です。
③分配金か値上がり益か……投資信託に何を求める?
投資信託の商品名を眺めてみると、末尾に「毎月決算型」「資産成長型」と書かれている商品を目にします。「毎月決算型」とは、分配金を毎月支払うことを目指して運用している投資信託です。これに対して「資産成長型」とは、分配金をほとんど支払わず、値上がり益を重視している投資信託です。
投資効率を比較すると、複利効果が期待できる値上がり益重視の投資信託の方が有利な場合が多いですが、「資産の取り崩し」そのものを目的とするのなら、分配金が支払われる投資信託の方が合っているといえるでしょう。
④リスク……投資信託を買う前に必ず確認する
投資には必ず「リスク」があります。投資におけるリスクとは、「値動きの大きさとその要因」のことです。
投資信託のリスクは、投資先の資産によって異なります。ほぼすべての資産について回るのが「価格変動リスク」。債券であれば「金利変動リスク」も価格が変動する大きな要因となります。海外の資産であれば「為替変動リスク」を避けて通れません。
このほかにも、債務不履行や倒産の可能性に基づく「信用リスク」や、投資先の国の政治情勢による「カントリーリスク」など、商品ごとに注意すべきリスクは変わってくるので、投資信託を買う前に交付目論見書などを読んで、リスクについて事前に知っておく必要があります。
⑤為替ヘッジ……投資信託によっては選べる場合も
数ある投資信託のリスクの中でも、円安ドル高が急激に進む現状では「為替リスク」が最も気になるかもしれません。米国株の投資信託に投資したいけれど、買ったとたんに為替が円高に巻き戻って、損してしまうかもしれない……。そんな心配をする方もいらっしゃるかもしれません。
そんなときには「為替ヘッジあり」の投資信託が選択肢のひとつになります。為替ヘッジありの投資信託を選べば為替リスクを一定程度抑えられるので、たとえば米国株であれば、仮に円高ドル安が進んだとしても、株価の値上がり分だけを利益として受け取れるのです。
⑥金融機関……投資信託の品ぞろえは千差万別
今売れている人気の投資信託を、どの金融機関でも買えるとは限りません。投資信託は証券会社をはじめ、全国の銀行や信用金庫など幅広い金融機関で取り扱っていますが、その品ぞろえは金融機関によって千差万別です。
すでに投資信託の口座を開設している金融機関で取り扱っている商品の中から選ぶか、あるいは買いたい投資信託を最初に決めてから、その投資信託を取り扱っている金融機関を選ぶか。いずれにしても、「どの金融機関で買うか」は重要なポイントとなります。