債券・株式・投資信託のインカムゲインは、それぞれ利子・配当・分配金と呼ばれます。どのような違いがあるのでしょうか。特徴をみていきます。

  • 債券は投資家からの直接借入であり、利子や元本(額面金額)には支払い義務がある
  • 配当は借入に対する返済ではなく、利益をどう処分したいかの意向は企業が決める
  • 分配金はファンドの純資産から支払われ、その分だけ基準価額は引き下げられる

配当は株主に対する企業からの利益還元

<利子・配当・分配金は、債券・株式・投資信託のインカムゲインになります。今回はそれぞれの特徴についてみていきます。

債券:利子
株式:配当
投資信託:分配金

債券のインカムゲイン「利子」の特徴

国債や社債など債券に投資すると定期的に利子を受け取ることができます。利子は「額面金額×利率」で計算され、額面金額は満期時に受け取れる元本です。額面金額が1万円で利率2%の場合の利子は200円(税引前)になります。

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多くの債券は発行から満期までの利率が変わらない固定金利で発行されますが、個人向け国債10年満期のように変動金利(半年ごとに利率見直し)や利子を支払わない債券(割引債)などもあります。

額面金額や利率は、その債券を購入する前に確認する目論見書に記載されています。固定金利の場合は購入前に受け取れる利子を計算することができます。

発行体からみますと、債券は投資家からの直接借入になりますので利子や元本(額面金額)には支払い義務があります。期日通りに利子の支払いや元本(額面金額)の返済ができないと債務不履行(デフォルト)となってしまい、投資家は利子の支払いや元本の払い戻しを受けられないリスクが発生します。また、発行体の信用格付けにも影響します。

株式のインカムゲイン「配当」の特徴

配当により、企業は株主に対して利益の一部を還元します。一般的に当期純利益(利益)が配当の原資になりますので、年ごとの利益の変動により配当額も変動します。

配当は債券のように借入に対する返済ではないので、利益をどう処分したいかの意向は企業が決めます。(最終決定は株主総会での承認が必要です)

成長企業では、利益を内部留保して研究開発や工場建設など設備投資に充て配当しない会社もある一方、成熟した企業では、それ程多くの設備投資の必要がないため配当による利益還元を重視する企業もあります。

また、企業が配当を支払っても株価自体が市場での投資家同士の売買によって価格が決まるため、株価への直接的な影響はありません。

投資信託のインカムゲイン「分配金」の特徴

分配金は投資信託(ファンド)が運用して得た利益の一部をファンド保有者に対して支払うインカムゲインです。基準価額(1万口)に対する分配金の額はそのファンドの運用会社が決算を行い決定します。

また、利益の還元という点では、株式の配当金に近いかたちですが、分配金はファンドの純資産から支払われる点が株式と異なります。そのため分配金支払い後はその分だけ基準価額は引き下げられます。

株に投資するファンドの場合の純資産は、「純資産=投資先の株価×株数+受け取った配当金+投資に回していない現金等」になります。

例えば、投資口数が100口で分配前の純資産が100万円の基準価額は1万円(100万円÷100口)
です。分配金を1口当たり1000円出しますと、純資産は90万円(100万円-(1000円×100口)に減ります。分配後の基準価額は9,000円(90万円÷100口)となり支払った分配金1000円分基準価額がさがります。(投資先に価格変動がない場合)

(ALT:基準価額と分配金)

また、株式投資の場合、購入単価(株価)は変動しません(株式分割等を除く)が、ファンドの購入単価(個別元本)は、分配金の支払いにより下がるケース(個別元本≧基準価額)があります。

下の図のように、個別元本と基準価額が同額の10,000円の時に1,000円の分配金を出すと、分配後基準価額は9,000円に下がり個別元本も9,000円になります。その場合の分配金を元本払戻金と呼び、税金はかかりません。

個別元本と元本払戻金

配当や分配金は利子に比べ高い傾向

インカムゲインに安定性を求めるならば利子が選択肢になります。ただし、国内の債券に投資をする場合は低い利率を受け入れる必要があります。株式や投資信託は、配当や分配金は債券に比べ高い利回りの銘柄やファンドもありますが、債券のように満期がないため、売却時の株価や基準価額によっては売却益や売却損が発生するリスクがあります。

以上、「利子」「配当」「分配金」それぞれの特徴についてみてきました。
運用する商品を選択する際の参考にしていただけたら幸いです。

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