資産形成の近道は小型株にあり──。「小型株集中投資」を実践する気鋭の投資家・遠藤洋さんに、今からでも始められる小型株投資の極意を教えていただく連載。第15回は、自分自身の知識だけでなく、親しい人の話も有望な銘柄を発見するヒントになるというお話です。

  • 自分の仕事や趣味など、よく知っている業界やジャンルに絞って会社を探す
  • 自分がよく知らない業界やジャンルは、家族や友達など親しい人の話がヒントになる
  • 医療業界に勤める人の話を聞いて買った「メドピア」「パラマウントベッド」

基本は「自分の仕事や趣味の領域から銘柄を探す」

遠藤洋
遠藤 洋
投資家
投資コミュニティixi主宰

連載第3回でもお話ししましたが、これから株式投資を始める方は、自分の身の回りから銘柄を見つけるのが、株式投資で成功する近道だと思います。

つまり、自分の仕事や趣味など、よく知っている業界やジャンルに絞って見るということです。僕の場合は以前にIT業界で仕事をしていたので、IT企業やスマホアプリがそれに当たります。
以前にもお話しした、「nend」というスマホ向けの広告サービスを提供しているファンコミュニケーションズは、僕の経験と知識が銘柄を発見する大きな助けになりました。

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投資初心者は「身の回りから有望な銘柄を見つける」

趣味ということでは、たとえばアニメやゲームが好きな人に言わせると、「今このアニメががはやっているから、このアニメを題材にしたゲームがこの会社から出る」といったことがわかるそうです。

あるいは、アウトドア用品のメーカーの「スノーピーク」が最近注目を浴びましたが、キャンプが好きな人にとっては「最近キャンプ場に人が増えてきた」「スノーピークのウェアや道具を使う人が増えている」といったことも肌感覚でわかると思います。

こういった情報は、業内の中にいる人や、そのジャンルに興味を持って接している人には「誰でも知っている常識」ですが、一般の投資家は意外とわからないものです。この情報優位性は投資にも生かすことができて、これから伸びる銘柄を発見することに役立ちます。

ただ、情報の感度が高すぎるために、株価が動く前に買ってしまい、思うように利益を上げられないこともあるので注意が必要です。いくら良い会社でも、みんなが商品やサービスを買わないことには業績は上がりません。業界だけでなく、世の中の動きを見ることも大切です。

専門外の業界では、親しい人の話がヒントになる

ただ、自分の仕事や趣味をもとに有望な会社を探すだけでは、見渡せる範囲は限られてしまいます。そこでもう一歩踏み込んで、自分の家族や友達など、周りの親しい人たちに話を聞いてみると、良い会社に出会える可能性はさらに広がります。

以前にセルソースという会社についてお話ししました。僕自身は薬品や医療業界のことはあまり詳しくないのですが、親しい経営者と接する中で、セルソースが手がける幹細胞のビジネスが伸びると考えました。

富裕層の幹細胞への関心が決め手「セルソース」

このほか、医療業界で働いている知人の話で「最近、業界内でこのアプリやサービスを使う人が増えている」「あの会社と取引をしているという会社が増えてきた」といった、その人の肌感覚をもとに投資をしたら、実際にその会社の株価が伸びたことがありました。

具体例としては、医師のためのプラットフォームサイトを運営するメドピアが挙げられます。

【図表1】メドピア(6095)の株価(月足)
メドピア(6095)の株価(月足)

その医療業界の人が関係している医療機関のベッドが全部パラマウントベッドだったという話を聞いて、株を買ったら上がったこともありました。

【図表2】パラマウントベッドホールディングス(7960)の株価(月足)
パラマウントベッドホールディングス(7960)の株価(月足)

お子さんがいる家庭の場合は、子どもたちの行動の中に、今後伸びる銘柄のヒントがあるかもしれません。僕の友人から聞いた話で、子どもを塾に通わせたら、これまで勉強が嫌いだった子が「塾に行きたい」と言うようになったことがあったそうで、その塾について調べたら運営会社が上場していて、株を買ったら上がったこともありました。

自分自身の仕事や趣味に加えて、周りにいる親しい人たちに話を聞いてみると、そこから大きく上がる株が見つかることがあります。

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